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ワールドカップでメッシは再び活躍するか 走らないスーパースターの輝かせ方 (2ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Kenji Nishibe

【39歳のスーパースター】

 かつてはサッカー選手のピークは27~30歳くらいだった。ワールドカップは4年に1回。ちょうどそのタイミングにピークを迎えられるかどうか。そうしたタイミング問題があったわけだが、現在は選手寿命が延びている。

 メッシが初めてトロフィーを掲げた前回は35歳だった。しかし今回は6月24日で39歳。さすがに体力的なピークはとっくに過ぎている。

 W杯史上、39歳で活躍した例はほとんどない。1990年イタリアW杯でスーパーサブとして重要な得点をあげたロジェ・ミラ(カメルーン)は当時38歳。4年後も出場して得点もしているが、大活躍したのは38歳の時だ。

 ディノ・ゾフ(イタリア)は、40歳でイタリアのキャプテンとして1982年スペインW杯優勝に貢献。ピーター・シルトン(イングランド)は40歳(1990年イタリアW杯)、パット・ジェニングス(北アイルランド)も41歳(1986年メキシコW杯)で中心選手だったが、彼らはGKだ。

 しかし、2022年カタールW杯ではペペ(ポルトガル)、ダニエウ・アウベス(ブラジル)がフィールドプレーヤーとして活躍している。当時39歳。

 メッシはおそらく先発で出る。かつてのミラのようなスーパーサブとしての起用も考えられるが、メッシはキックオフから戦況を分析して最適解をはじき出すプレースタイルでこれまでやってきている。

 バルセロナでの全盛期でも90分間の走行距離がGK以下という試合があったほど走らない。フィールドの中を歩きながら敵味方の動き方をインプットし、「ここ」という瞬間に決定的なプレーをする。ベンチから戦況を観察してもよさそうなものだが、長年の習慣を変えることはないだろう。

 もともと極端に走らない選手であり、チームとしてもそれを納得したうえでの起用なのでメッシ本人に問題はない。ただし、彼を支える9人も4つ歳を重ねている。「1」を支える側が4年前と同じ強度を維持できるかどうかが問われる。

 25歳のエンソ、27歳のマック・アリスターはともかく、5月24日で32歳になるデ・パウルがどうか。メッシの守備を直接的に肩代わりし、メッシにボールを供給するデ・パウルは精神的にもメッシを支えている存在で、いわばメッシ専用機。デ・パウルのコンディションは1+9システムのポイントになりそうだ。

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