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冨安健洋に次ぐ若さで20歳の市原吏音がオランダへ 移籍金はJ2史上最高額 (4ページ目)

  • 戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei

【移籍金はJ2史上最高額で取引】

 J2でプロデビューを飾った2023年から2年を経て、2025年のJ2でどんなプレーができているのか。市原は2025年シーズン終盤に、こう答えている。

「2年前よりできることは増えているし、余裕も出てきている。2年間にJ2にいた選手と今シーズンまた対峙すると、当時は考えられなかったような余裕がある。と言っても、多少ですけどね」

 およそ2カ月前の思いは膨らみ、自らの背中を押した。

「自分の実力的にも、クラブ的にも、しっかりタイミングを見計らって、今ならこの冬に行って活躍できるだろうと。ここまで来るのにいろいろとありましたけど、このクラブが一番成長できると思ってやってきました。今このタイミングで移籍するという選択は、間違っていないと思っています」

 RB大宮の強化を担うスチュワート・ウェーバーHS(ヘッド・オブ・スポーツ)は「たくさんのクラブから関心を寄せられたのは、まったく驚きではない。彼は我々のトップチームで、この2年間にわたってコンスタントにいいパフォーマンスを見せていた」と話した。また、「J2史上最高額と思われる移籍となり、すばらしい取引です」とも語っている。具体的な金額は公表されていないものの、150万ユーロ(約2億8千万円)と言われる市場価値と同等と推察される。

 RB大宮が属するレッドブルサッカーは、「翼を授ける」のアイデンティティで「選手育成とスカウト」を重視している。レッドブルグループ間での移籍ではないが、市原のポテンシャルと将来性に見合う金額が動いたのだった。

(つづく)

◆市原吏音・後編>>6月のワールドカップへ「滑り込みでも入れるように」


【profile】
市原吏音(いちはら・りおん)
2005年7月7日生まれ、埼玉県さいたま市出身。大宮アルディージャのアカデミーで育ち、2023年7月の天皇杯・セレッソ大阪戦でクラブ史上最年少18歳5日でのトップチームデビュー。翌年トップチームに昇格し、いきなり副主将に任命されてJ3優勝に貢献。日本代表歴は各カテゴリーで呼ばれ、2026年のU-23アジアカップではU-21日本代表の主将を務めた。2026年1月、オランダ1部のAZアルクマールに完全移籍。ポジション=DF。身長187cm、体重81kg。

著者プロフィール

  • 戸塚 啓

    戸塚 啓 (とつか・けい)

    スポーツライター。 1968年生まれ、神奈川県出身。法政大学法学部卒。サッカー専誌記者を経てフリーに。サッカーワールドカップは1998年より7大会連続取材。サッカーJ2大宮アルディージャオフィシャルライター、ラグビーリーグワン東芝ブレイブルーパス東京契約ライター。近著に『JFAの挑戦-コロナと戦う日本サッカー』(小学館)

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