久保建英、レアル・ソシエダ加入以来の正念場 移籍どころではない現地で燻る「批判」の正体 (3ページ目)
ただ、そのビジャレアル戦では、リードを許したまま、久保は交代を余儀なくされている。代わりに入ったアンデル・バレネチェアがFKから見事な同点弾を決めたが、それもハッピーエンドではなく、アディショナルタイムの失点で敗れている。スペイン国内のメディアは久保に対し、ほとんどが星ひとつ(0~3の4段階評価)で、よくも悪くもない、というもの。得点をお膳立てしたが、失点の契機にもなっていたのだ。
過去3シーズン、久保はヨーロッパカップ戦も同時に戦ってきた。しかし、今シーズンはチームの成績不振で欧州カップ戦出場権を逃している。それは彼の責任ではないが、チーム成績が落ち込んでいるのは事実だ。
久保は正念場に立っている。いまの彼は、黒にも白にも映る。能力の高さや野心的なプレーは評価できるが、代表での足首のケガの影響もあって、先発を外れる試合が続いていた。少なくとも、シーズンが終わってワールドカップを戦うまでは、移籍云々で騒いでいる場合ではないだろう(久保本人もシーズン中の移籍はないことを明言している)。
久保がラ・レアルに欠かせない選手で、ラ・リーガ全体を見渡しても有力なアタッカーであることは変わっていない。しかし、中心選手には「Tirar del Carro」(一番つらい仕事を引き受け、先頭に立つ)という、"試合を決める"リーダーシップが求められる。それが果たされたとき、彼はさらなる高みに立っているはずだ。
次節、ラ・レアルは12月6日(現地時間)、アラベスと対戦する。
著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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