リバプール遠藤航はチャンピオンズリーグで貴重な役割を担うか 現地番記者が現状を探る (2ページ目)
【「若手の格好のロールモデルだ」】
「ワタは最高のチームメイトだよ。文字どおり毎日、彼は完全にチームにコミットするんだ。常に自分よりチームのことを考え、チームのためにハードワークする。若手にとって、格好のロールモデルだ」とチームの主将フィルジル・ファンダイクは語る。
昨季から、遠藤の本職である6番のポジション(守備的MF)は、ライアン・フラーフェンベルフが務めるようになった。この位置にテクニカルなMFを望むオランダ出身のスロット監督は、同胞のフラーフェンベルフの狭いスペースでの技術や巧みなターン、底なしのスタミナを高く評価している。
ただし、今シーズンは遠藤の出番が増えてもおかしくない。なにより、スロット監督は選手のローテーションを導入することを明言している。なぜなら指揮官は、昨季のリバプールがチャンピオンズリーグの16強でパリ・サンジェルマンに敗れ、リーグカップ決勝でニューカッスルに敗れた理由は、選手たちの疲労にあったと考えているからだ。実際、昨季はほとんど先発メンバーを変えなかったため、終盤の重要な時期に全体が息切れしたことは否めない。
加えて、過密スケジュールにうまく対応していくには、遠藤のような計算の立つ選手の存在は心強い。9月の代表ウィーク後、リバプールは17日間で6試合(3つの大会)を戦うことになる。昨季のように先発を固定するのは賢明ではない。
また遠藤は複数のポジションを高度にこなすことができる。守備的MFだけでなく、最終ラインの中央や右にも対応する選手は、シーズンに60試合以上を消化するチームにとって、非常に価値がある。
スロット監督が就任した昨夏、遠藤は新指揮官との最初の会話でこう言ったという。
「あなたが望むなら、自分はどんなポジションでもプレーし、100%出し尽くします」
その言葉どおりの選手だということは、指揮官も理解しているはずだ。
本稿執筆時点で、遠藤はプレミアリーグ第3節までの全試合に途中出場している。欧州制覇を見据えるプレミアリーグ王者は今夏、4億ポンド(約794億円)以上を費やして多くの新戦力を獲得したというのに。
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