【欧州サッカー】堂安律の36億円ほか、 主要リーグの各クラブで日本代表選手たちが歴代最高額の移籍金を記録 (3ページ目)
【確立された感のあるベルギーからドイツへのルート】
まったく噂が聞こえてこないなかザンクトパウリに移籍し、いきなりレギュラーを掴んだのが藤田譲瑠チマである。ブンデスリーガでは長谷部誠、細貝萌、遠藤航といった日本人選手がセントラルMFとして認められ、愛されてきた。そして1年前にマインツに加入した佐野海舟の圧巻のパフォーマンスにより、このポジションの日本人選手の人気はさらに高まっている。藤田も遠藤と同様に、ベルギーのシント=トロイデンからブンデスリーガにたどり着いた。
町田浩樹もベルギー経由でブンデスリーガの道を選んだ。彼の新天地ホッフェンハイムは、ラルフ・ラングニック(現オーストリア代表監督)のもとでブンデスリーガに到達し、当時ブンデスリーガ史上最年少監督のユリアン・ナーゲルスマン(現ドイツ代表監督)を輩出したりと注目を集めてきたが、近年は低迷している。チームを立て直す過程で、守備を安定させることを期待して、昨季のベルギー王者サンジロワーズの守備の要だった町田に白羽の矢を立てた。サンジロワーズのアレックス・ミュジオCEOは、トランスファーマルクトにこう語った。
「ベルギーリーグは、Jリーグの選手にとって概して良いリーグと言えるだろう。そのレベルは基本的にJ1と5大リーグの中間くらいで、適度なステップアップとなる。また、ベルギーのクラブは経営に苦労しているところが多く、移籍金でそれを埋め合わせる必要があるため、交渉の場で協力的な姿勢を見せることが多い」
町田は残念ながら、ブンデスリーガのデビュー戦で左膝前十字靭帯を断裂してしまった。新天地も日本代表も、彼の早期復帰を待っている。
8月末に決まった菅原由勢のブレーメンへの買取オプション付きローン移籍は、ドイツでも驚きを持って受け止められた。しかしディフェンダーが次々と負傷したチームにおいて、有事の際の獲得候補リストに菅原の名前があったのは間違いない。また新監督に就任したホルスト・シュテフェンと、代理人事務所が同じという縁もあった。
「ユキは本当にフレンドリーで礼儀正しく、とてもユーモアがある」とクラブのメディアスタッフは菅原について語る。地元メディアやファンと接する機会が多いブンデスリーガでは、こういったポジティブな要素が、その土地で認められてうまくやっていくための助けとなる。
瀬古歩夢も2022年から3年半を過ごしたスイスのグラスホッパー・チューリッヒを去り、フランスのル・アーヴルと2027年までの契約を結んだ。冨安健洋、伊藤洋輝、町田浩樹、高井幸大らが負傷し、日本代表の最終ラインは不安を抱えている。W杯を1年後に控えた今、瀬古が5大リーグで結果を残せば、代表の定位置も見えてくるか。
3 / 3

