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【欧州サッカー】堂安律の36億円ほか、 主要リーグの各クラブで日本代表選手たちが歴代最高額の移籍金を記録 (2ページ目)

  • 円賀貴子(トランスファーマルクト)●取材・文 text by Maruga Takako / transfermarkt.com

【堂安はフランクフルトへステップアップ】

 比較的小規模で選手育成に定評のあるフライブルクから、アイントラハト・フランクフルトへステップアップしたのが堂安律だ。フライブルクはクラブ史上最高額の移籍金2100万ユーロ(約36億円)を手にしている。フランクフルトはこの半年だけでも、1月にオマール・マルムシュ(マンチェスター・シティ)を7500万ユーロ(約130億円)で、7月にウーゴ・エキティケ(リバプール)を9500万ユーロ(約164億円)で売却しており、採算は取れているはず。

 フランクフルトのマークス・クレーシェ強化担当は現在27歳の日本代表アタッカーのことを、「私たちが望んでいた逆足のウイング」と表現しており、堂安が得意とする右サイドからのカットインなどを期待されているようだ。またクレーシェ氏は『南ドイツ新聞』のインタビューで、選手を高値で売る秘訣について聞かれて、こう答えている。

「まず選手が2、3年後にどのくらい成長し、どのくらいの価値になるかを定める。そしてそれを発言していく。この業界はかなり透明なので、メディアがそれを書く。そうするとその金額がみんなの頭の奥の方に刻まれていく。いきなり1億ユーロと言ったら、不信感を抱かせてしまうだろう」

 すでに堂安はカップ戦とリーグ戦の3試合で4ゴールと1アシストを記録し、クレーシェ氏の見立てが正しかったことを示している。チャンピオンズリーグでの活躍によっては、市場価値も1シーズンでさらに上昇し、クレーシェ氏の手にかかれば、今回の倍以上の移籍金で、より大きなクラブに移籍できるようになるかもしれない。

 町野修斗と彼の新天地ボルシアMGの契約に予想以上の時間がかかったのは、ボルシアMGがまず人員を整理する必要があったから。町野が昨季所属していたホルシュタイン・キールのオーラフ・レッべSDは、昇格組のチームがずっと残留争いをしていたにも関わらず、2桁台の得点を叩き出した町野に1000万ユーロ(約17億円)以上の移籍金を要求した。

 最終的に、ボルシアMGが800万ユーロをキールに振り込み、各種ボーナスと、将来のさらなる移籍の際にキールに支払われる金額を入れると約1000万ユーロになる形で落ち着いた。これはキールにとって、史上最高の移籍金である。近年のボルシアMGは、良く言っても中堅クラスのチーム。昨季のキールに続き、残留争いに巻き込まれないよう、町野の決定力に期待がかかる。

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