【現地レポート】中井卓大、レガネスBで初先発し勝利に貢献 スペイン5部の「リアル」 (3ページ目)
「リーグ戦を戦うにはチーム全体の継続性が不可欠ですが、ケガなどでトップの人手が足りなくなると、シーズン中でも選手を引き抜かれるのがリザーブチームの宿命です。今季のレアル・ソシエダBのように2部まで上り詰めるリザーブチームもありますが、結局は定着できず、翌シーズン降格する理由のひとつです。ただし、それらの問題はリザーブチームの最優先事項である『トップへの人材供給』という命題の前では些末なことです。
最大のメリットはすぐ目の前に『トップチームへの扉』があることです。他の町のクラブがいくら好条件の契約を用意できたとしても、これだけは絶対に用意ができません。実際にチームを率いていても、素材はよくても巡り合わせが悪くてカテゴリーを落としてきた選手が機会を得て、また飛躍していくケースがたくさんありました。
日本での声を見ていると否定的なものも見受けますけど、いきなりトップに昇格してすぐに定着できるのはほんのひと握り。リーガは甘くないです。キャリアの上下がありつつも、そこで経験を積んで、23~24歳で頭角を現わすというのはごく普通のこと。中井選手もここで経験値とチャンスをつかんでほしいですね」(伊藤氏)
スタンドには観客に混じり、スカウトとおぼしき姿も多く見受けられた。夏の移籍市場はまだ閉まっていない。この試合で出場していた選手が、ここから移籍ということもあり得る話なのだ。中井には、このカテゴリーの試合であっても市場の一端を担っているということを意識して、レガネスBで研鑽を積んでもらいたい。
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