【現地レポート】中井卓大、レガネスBで初先発し勝利に貢献 スペイン5部の「リアル」 (2ページ目)
【レガネスBの最大のメリット】
5部にあたる3aRFEFは全18グループ(17の自治州ごとにグループがあるが、スペインの飛び地を含むアンダルシア州は2グループ)からなり、各グループがそれぞれ18チームで構成されている。あえて日本のサッカーカテゴリーに当てはめると、各地域の1部リーグ(関東リーグなど)に相当する。プレー環境はさまざまで、地域やグループによって差はあるが、例えば3aRFEFだと人工芝のピッチを使用するチームが多くなる。レガネスBは天然芝のピッチ(トレーニング施設内のスタンド付きピッチ)を持つ数少ない例外だ。
3aRFEFはセミプロリーグという位置づけになるが、それはどういうものなのか。ひとつ下のカテゴリーになるが、6部のクラブ(コスラダ)でアナリストを務めている一戸隆太氏に「リアルな話」を聞いた。
「スペインは我々のような6部のチームでも、フルタイムの契約を結ぶごく限られた一部の選手を除くと、仕事や学業に就きつつ、基本給+インセンティブ(出場、勝利、ゴール給など)、さらにチームや選手によっては住宅補助があるなどの、日本でいうセミプロとして契約を結ぶのが普通です。5部の3aRFEFなら、日本で地域リーグに参加している純粋なアマチームはないでしょう。チームのオーナーやスポンサーの金回りがよければ、6部のチームのほうが5部のチームよりも実質の給料が高い場合もあるし、昇格するために上位のカテゴリーから選手を引き抜いてくることもあります」
そういう面では、選手・チームともセミプロという範疇に収まらず、実にプロ的だ。
一方、一昨シーズンまでレガネスの下部組織で指導者を務めていた伊藤弘太氏(今季はアラバカBの第2監督)は次のように語る。
「レガネスBも他のプロクラブ同様、基本は23歳までに芽が出なければそれ以上の契約は更新せず、放出・移籍です。3aRFEFは外国人枠の問題はありませんが、1チームの登録人数の上限は決まっているので、23歳を待たずに解雇や移籍させることも当然、あります」
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