プレミアリーグ開幕 英国高級紙で健筆を振るうベテラン記者が上位10チームを予想 (2ページ目)
【疲弊気味のグアルディオラ監督はマンチェスター・シティを建て直せるか】
ペップ・グアルディオラ監督のもと、マンチェスター・シティはかつての強さを取り戻せるのか──。今季プレミアリーグの最大のポイントのひとつだ。昨季は最後に巻き返して3位で終えたが、中盤戦でかつて見たことがないほどのスランプに陥った。
オフにはケビン・デ・ブライネ、カイル・ウォーカーと、これまでの主力を放出した一方、ティヤニ・ラインダース、ライアン・アルト=ヌーリ、ラヤン・シェルキ、ジェームス・トラフォードらを獲得。これらの新戦力をなるべく早くチームに組み込むことが、成功のカギとなる。ただし、2027年の契約満了時にクラブを去ることを明言している指揮官は最近、ファッション誌のインタビューで疲労の滲む応対をしている。はたして、どこまで発奮できるだろうか。
昨季のプレミアリーグを4位で終えたチェルシーが、その後に世界王者になった。その間に加入したジョアン・ペドロらニューカマーの活躍もあり、最高の形でシーズンを終えたが、長丁場のリーグ戦ではどうか。今オフも彼らを含めた多くの若手を迎え、逆に手放した選手も二桁を数える。
継続的な大幅な選手の入れ替えはチームの成熟を妨げ、エンゾ・マレスカ監督が適切に対処できなければ、上位争いも難しくなるだろう。また世界一にはなったが、それは一番長いシーズンを送ったとも言え、コンディションにも不安が拭えない。それでも指揮官は、「こんな状況は誰も経験したことがないので、チームがどう反応するか楽しみだ」と楽観的だ。
昨季15位──イングランドの名門中の名門、マンチェスター・ユナイテッドは過去50年で最悪のシーズンを送った。その反動からか、オフにはベンジャミン・シェシュコ、マテウス・クーニャ、ブライアン・エンブエモと、前線の好タレントを次々に獲得。「今季の陣容には心から満足している」とルベン・アモリム監督は嬉しそうだが、堕ちた名門を立て直すのは簡単ではないだろう。
昨季のチャンピオンズリーグ(CL)で8強に進出し、のちに優勝するPSGに敗れたアストン・ビラは、リーグ戦では最終節に黒星を喫して今季のCL出場権を逃した。また利益と持続可能性のルールにより、ウナイ・エメリ監督とスポーツディレクターのモンチは、移籍市場で本来の如才ない力を発揮できずにいる。ヨーロッパリーグ(EL)に出場する今季は、昨季と比べると負担は少ないが、ライバルが軒並み戦力を高めているなか、指揮官は「(マーケットの)最終週に編成が変わるかもしれない」と一縷の望みを抱いている。
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