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【プレミアリーグ】1億ユーロ選手はハズレの確率高し リバプール移籍の天才MFに254億円の価値はあるか (4ページ目)

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Kasuya Hideki

【チェルシー所属時とは別人だった】

 また、コウチーニョはバルセロナのメッシ依存によりサイドに置かれ、コンディショニングのミスも小さくないダメージだった。対戦相手に恐怖を抱かせるようなプレーは披露できず、一部のメディアは約228億円の移籍金を「究極の無駄遣い」と酷評した。

 そしてアザールは大腿部やひざなどの負傷よりも、自らを過大評価する悪癖も失敗の要因だった。チームプレーを優先するカルロ・アンチェロッティ監督が、特別扱いするはずがない。レアル・マドリードに所属した4年間は公式戦76試合・6ゴール。チェルシー所属時とは別人だった。

 1億ユーロの高値がつく選手は才能の塊(かたまり)だ。ただ、新チームのゲームプランに噛み合わない、本人や家族が環境に馴染めない、性格が内向的、もしくは好戦的......などなど、獲得するまでに多方面のチェックが必要になる。

 ポグバ、アザール、コウチーニョ、ネイマールは十分な実績を持ちながら、額面を大きく下まわるパフォーマンスに終始した。

 プロの世界は弱肉強食。1億ユーロ超の移籍金が、成功を約束するわけではない。

著者プロフィール

  • 粕谷秀樹

    粕谷秀樹 (かすや・ひでき)

    1958年、東京・下北沢生まれ。出版社勤務を経て、2001年、フリーランスに転身。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、海外サッカー情報番組のコメンテイターを務めるとともに、コラム、エッセイも執筆。著書に『プレミアリーグ観戦レシピ』(東邦出版)、責任編集では「サッカーのある街」(ベースボールマガジン社)など多数。

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