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「バルサ愛」を貫き高額オファーを蹴ったカルレス・プジョル 名将ファーガソンは「恐れ入った」と脱帽 (4ページ目)

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Kasuya Hideki

【バルサ史に残る偉大なるカピタン】

 ハンジ・フリック監督のもと、ラミン・ヤマル、ラフィーニャ、ペドリなどが強烈至極のアタッキング・フットボールを展開する現在のバルサは、2025-26シーズンもラ・リーガ、チャンピオンズリーグともに優勝候補だ。プジョルが入り込む余地はないのかもしれない。

 バルサLOVEの心情をふまえると、うまくいっているフリックの邪魔をせず、かといって他クラブの監督、コーチは考えられない。いずれ戻ってくるにしても、しばらくは古巣と距離を置くのではないだろうか。偉大なるカピタンがブラウグラナ(バルサの通称/スペイン語で青とエンジ)に再び関与するまで、もう少し時間が必要だ。

「バルサとフットボールのために、すべてを出しきった。クラブのために全力を尽くした男として、みなさんの記憶に留めていただけるのなら最高に幸せだ」(2014年5月に行なわれた自身の引退式でスピーチ)

 なんという素敵な発言だろうか。愛情と怒りを混同し、事あるごとに批判を繰り返すどこかのクラブのOBは、プジョルの爪の垢(あか)を煎じて飲んだほうがいい。

 ネガティブな感情は胸に秘め、常に古巣を思うプジョルは、バルサ史上に燦然と輝くレジェンドのひとりだ。後にも先にも、彼のようなリーダーは現れていない。

著者プロフィール

  • 粕谷秀樹

    粕谷秀樹 (かすや・ひでき)

    1958年、東京・下北沢生まれ。出版社勤務を経て、2001年、フリーランスに転身。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、海外サッカー情報番組のコメンテイターを務めるとともに、コラム、エッセイも執筆。著書に『プレミアリーグ観戦レシピ』(東邦出版)、責任編集では「サッカーのある街」(ベースボールマガジン社)など多数。

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