マンチェスター・ユナイテッドがワースト記録を次々更新 迷走はいつまで続くのか (3ページ目)
【絶対王者のイメージは消え失せた】
また、DFのリサンドロ・マルティネスとルーク・ショー、MFのメイソン・マウントといった各ポジションの主力が、負傷により長期の戦線離脱を余儀なくされた。MFアマド・ディアロも足首を痛めて2025年2月から2カ月ほど欠場し、経験不足の若手をリストに加えざるを得ない状況に追い込まれた。チームの傷口はますます拡がっていく。
それでもアモリムは、3-4-2-1にこだわった。基本システムが機能しない場合は4-2-3-1でも4-4-2でも、プランBを導入するのが監督の務めでもある。指揮官にはこだわりが必要だとしても、判で押したように3-4-2-1では、しかも機能していない並びでは、勝利の確率は極端に低くなる。
結局、アモリムが重視したのは、選手のキャラクターではなく、自らが信じるフォーメーションだった。
2024-25シーズンが終了し、世界中がマンチェスター・Uを叩いている。否定的なタイトルと記事内容が数を稼げるご時世とはいえ、監督・選手が発する後ろ向きの発言に、悪意を加えて脚色する。
辛口のOBとして知られるロイ・キーン、ガリー・ネヴィルも悔しさが手伝い、時にはコンプライアンスに引っかかるような批判さえも繰り返す。プレミアリーグ優勝から遠ざかって12年、CLからは17年が過ぎた現実が許せないのだ。絶対王者のイメージはとっくの昔に消え失せた。繰り返すが、2024-25シーズンは15位だった。
しかし、悪いことばかりではない。
CLだけではなく、ヨーロッパのコンペティションへの出場権を持たない2025-26シーズンは、ターゲットをプレミアリーグ一本に絞れる。試合は基本的に週1回。コンディションを整える時間は十分にあり、戦術を落とし込む余裕も生まれる。
補強も今のところ順調だ。ブラジル代表FWマテウス・クーニャをウルヴァーハンプトン・ワンダラーズから手に入れ、カメルーン代表FWブライアン・ムベウモ(ブレントフォード)との交渉も好感触だという。
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