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マンチェスター・ユナイテッドがワースト記録を次々更新 迷走はいつまで続くのか (2ページ目)

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Kasuya Hideki

【アモリムへの期待は膨らんだが...】

 リバプールはユルゲン・クロップを、マンチェスター・シティはジョゼップ・グアルディオラを招き、プレミアリーグだけではなくヨーロッパの頂(いただき)にも立った。

 マンチェスター・Uはモイーズを解雇したあと、ルイ・ファン・ハール、ジョゼ・モウリーニョ、オーレ・グンナー・スールシャール、エリック・テン・ハフを監督に起用したが(暫定人事は除く)、プレミアリーグにもCLにも手が届いていない。ヨーロッパリーグやFAカップ、リーグカップは獲得したものの、納得のシーズンは一度もない。

 テン・ハフもFAカップ優勝を免罪符として2024-25シーズンを迎えたが、上から目線の物言いと好き嫌いで選手を判断したことから、ロッカールームの信頼を完全に失っていた。

 ラトクリフ卿は、テン・ハフ解雇のタイミングを完全に誤った。2023-24シーズン終了後に決断していれば、2024-25シーズン開幕を新体制で迎えていれば、ありとあらゆるワースト記録を更新するような大恥はさらさなかったと考えられる。

 2024年11月11日に発足したルベン・アモリム新体制も、うまくいかなかった。

 ヨーロッパ屈指の戦術家であり、ポルトガルのスポルティングを在籍5年で2度のリーグ制覇に導いた実績は高く評価されていた。監督に就任する5日前のCLではマンチェスター・Cに4-1で快勝し、その期待はさらに膨らんでいった。

「3バックとか4バックではなく、選手のキャラクターを重視します」

 フォーメーション論を披露する傾向にあったテン・ハフに辟易としていたメディアは、アモリムの第一声に好印象を抱いたのだが......。

 GKアンドレ・オナナはあきれるほど守備範囲が狭く、コーチングの声すら聞こえてこない。DFハリー・マグワイアはスピード不足で、ウイングバックは左右とも人材が見当たらず(冬の市場でパトリック・ドルグを獲得したのだが......)、ウイングのアレハンドロ・ガルナチョは決定的なチャンスをことごとく外した。そしてセンターフォワードのラスムス・ホイルンドは前を向けず、シュートすら撃てない。

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