検索

三笘薫、今季プレミア10ゴールの意味 日本史上、最もバランス感覚に富むアタッカーに (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

 前々日にはブンデスリーガでフランクフルトと戦った堂安律(フライブルク)も今季10ゴール目を決めた。プレミアとブンデスリーガの間にはそれなりのレベル差がある。リーグランキングでは1位と4位の関係にあるとはいえ、堂安の10ゴールもウイング兼ストライカーとして評価すべき数字になる。

 だが、森保監督は日本代表で両者をウイング"バック"として起用する。その多彩さを自ら抑え込む愚策に気づかないでいる。

 レアル・ソシエダの右ウイング、久保建英のゴール数は現在5だ。こちらはウイング兼ストライカーと呼ぶには若干物足りない数字である。スペインのリーグランクは2位。ランク1位のプレミアで10ゴールを挙げた三笘が際立つ格好だ。

 左ウイングでありながらオールラウンドな能力を発揮する、日本サッカー史上、最もバランス感覚に富むアタッカー。三笘の価値はそこにある。

著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

フォトギャラリーを見る

3 / 3

キーワード

このページのトップに戻る