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セルティック4連覇に貢献の旗手怜央が語る今季の手応え 三笘薫との会話も成長のヒントに (3ページ目)

  • text by Harada Daisuke

【三笘薫との会話がヒントに】

 他にも、スコティッシュカップ準決勝セント・ジョンストン戦で、前半終了間際に(前田)大然が決めたゴールのアシストも手応えがあったプレーだ。

 相手のクリアボールを右サイドで拾った自分は、ドリブルでひとり交わしてゴール前に進入すると、ふたり目も3人目も交わして、左にいた大然へラストパスを送った。相手DFを交わしてシュートを決めた大然も見事だったが、複数人の相手を引きつけたプレーは、少し前に(三笘)薫と交わした会話がヒントになっていた。

 あれは日本代表として戦ったW杯最終予選のサウジアラビア戦を終えたバスで、隣に座った時だった。

 0-0という結果を受け、相手を押し込んだ時にどのように崩していけばいいかという話になった。その時、薫は「ボールを持った選手がひとりでも、ふたりでも相手を引きつけることによって、どこかにスペースが生まれ、どこかが空いてくる」と言い、「それはDFもMFも同じで、いかにボールを持ちながら相手を引きつけられるかが大事なのではないか」と話してくれた。僕自身も強く同意し、共感するとともに、セルティックに戻ってからも、その言葉を意識するようになった。

 幸いセルティックは、スコットランドにおいてはボールを保持できる時間が長い。そのため、自分がボールを持った時は、ワンタッチやツータッチではたくプレーも取り入れつつ、前に運べるシーンでは、相手をひとり、ふたりと引きつける動きを取り入れた。

 ドリブルで仕掛ける機会の多いサイドの選手が、それを試みるシーンはよく見かけるが、中央でプレーする自分ができるようになれば、チームの強みになり、自分の特長にもなる。セント・ジョンストン戦でのアシストは、薫と話してから意識するようになったプレーが、結果として表れた瞬間だった。

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