バルサ、インテルに「緩み」をつかれて失点も追いつく 「圧倒的な技術」は裏切らない (3ページ目)
【気分的にラクなのはインテル】
後半17分。前半からインテルのなかでひとり動きのよさを際立たせていたダンフリースが予想どおり裏を突き、右CKを獲得する。得点が入りそうなムードがぷんぷんと漂うなか、MFハカン・チャルハノール(トルコ代表)のキックはファーポストを突いた。高々としたジャンプで現れたのは背番号2のダンフリースだった。2ゴール、1アシストの活躍を、この大一番でやってのけた。
だが、バルサはこれで再び気合いが入ったのだろう。直後のキックオフから鬼気迫るパス回しを再開する。その流れで左CKを得ると、MFダニ・オルモ(スペイン代表)がペナルティボックスの角に立つヤマルにグラウンダーのパスを出したかに見えた。
ところがヤマルはスルー。その先にいたのはラフィーニャだった。ゴール正面から左足を振り抜くと、ボールは勢いよく加速しながらバーを直撃。GKヤン・ゾマー(スイス代表)に当たりながら枠内に転がり落ちた。
通算スコア3-3。するとバルサは、再び少し落ち着いてしまう。インテルに反撃を許す。
その後、試合は斬るか斬られるかの、一触即発の攻防になっていく。後半26分にはテュラムがGKと1対1になりかける。その3分後には、バルサはインテルにゴールを割られてしまった。ダンフリースが最終ラインの背後に送ったアーリークロスを、ヘンリク・ムヒタリアン(元アルメニア代表)が押し込んだのだ。判定はVARの末、オフサイド。わずか数センチという微妙なジャッジだった。
もっとも、試合の終わり方がよかったのはバルサのほうだ。最終盤の後半42分、ヤマルが超技巧的なバー直撃のループシュートを放てば、アディショナルタイムに入った後半46分には、ラフィーニャが左足で強烈な枠内シュートでGKゾマーを慌てさせた。
1週間後の第2戦。インテルにとって痛手なのは、この日、故障のために前半でピッチをあとにしたラウタロ・マルティネス(アルゼンチン代表)が出場できそうもない点だろう。しかし、流れそのものは悪くない。気分的にラクなのは、劣勢を予想されながら同点で折り返したインテルのほうだ。バルサがダンフリースを止めることができていないことも好都合だ。
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