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久保建英の苦言「地獄だった」にも、地元メディアは「ウィットに富み、常に話題になるコメントを提供」と高く評 (3ページ目)

  • ウナイ・バルベルデ・リコン●取材・文 text by Unai Valverde Ricón

【現地で評価される久保の発言】

 久保はビジャレアル後に「地獄だったよ。負けるゲームじゃなかったとたまに言う時はあるが、今回は引き分けに値しなかったと思う」と感想を述べた。

 このような発言は、久保が公の場で話すたびにいかに興味深い人物であるかを示すほんの一例に過ぎない。常に話題になるコメントを提供してくれるという点で、地元メディアは彼の発言を高く評価し、求めている。ラ・レアルに移籍してきた当初から流暢なスペイン語でサン・セバスティアンの街や文化、クラブを気に入っていることを話し、最初の瞬間から溶け込んでいる。

 ほとんど常に包み隠さず自分の意見を述べ、ユニークかつ個性的なタッチを加えた発言はラ・レアルのサポーターだけでなく、サッカーファン全般に好まれている。それは試合やチームバスのスタジアム到着時、年に数回の公開練習で子どもたちから最も声援が飛ぶ選手のひとりであることからもわかる。これらすべてが久保に居心地のよさを感じさせ、メディアに対しても心を開いて話してくれる環境となっているのだと思う。

 彼の受け答えはウィットに富み、しばし笑いを誘い、時に真剣だ。どんな質問であっても避けることなく、空虚なフレーズを使わず、中身のある話をしてくれる。レフェリーやラ・リーガ、チームのパフォーマンスを批判することも気にしない。そして何よりもサポーターから高く評価されているのは自己批判する点だ。

 今日のサッカー界は選手が自由に発言できない、特有の堅苦しさと真面目さに染まっている。ラ・レアルでも常にはっきりとした口調で話し、率直に答える選手はほとんどいない。だからこそ、久保が話す言葉にどのような価値があるのかがわかるのだ。

(髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki)

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著者プロフィール

  • 高橋智行

    高橋智行 (たかはし・ともゆき)

    茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、リーガ・エスパニョーラを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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