久保建英の苦言「地獄だった」にも、地元メディアは「ウィットに富み、常に話題になるコメントを提供」と高く評 (2ページ目)
【評価の分かれたビジャレアル戦】
ラ・リーガ第31節のマジョルカ戦から1週間以上空いたことで、第32節のビジャレアルとの大事な一戦に久保は比較的フレッシュな状態で先発した。ラ・レアル(レアル・ソシエダの愛称)は前半、失点シーンとその後の2、3分の混乱を除けば、ボールを持ち、流動的かつ攻撃的なサッカーを展開するなど、ここ最近では最もよいパフォーマンスを見せた。
久保はいつものように相手から厳しいマークを受けるも、攻撃を加速させる絶対的な鍵となり、前半終了間際にはセルジ・カルドナと対峙しながら2度チャンスを生み出した。
1度目はゴールに向かう柔らかいクロスをファーポストに入れたが、相手GKとクロスバーに阻まれた。2度目は悪魔のような加速でサイドを突破し、右足で完璧な低空のクロスをあげ、ルカ・スチッチの決定機を演出してみせた。
しかし後半に入り、イマノルがシステムを5-4-1に変えたことで、ラ・レアルから攻撃的なプレーが完全に消え、酷いパフォーマンスに終始した。久保も存在感が薄れ、後半41分に交代するまで姿が見えなかった。彼の成績はパス成功数20本、パス成功率80%、キーパス1本、デュエル勝利5回、被ファウル2回、ボールロスト11回、クリア1回だった。
この試合での久保は、チームの数少ないチャンスを作り出したひとりであることは間違いないが、プレーにほとんど関与しない時間が長かったと、地元のメディアは指摘している。
クラブの地元紙『ノティシアス・デ・ギプスコア』のミケル・レカルデ記者は各選手を採点するにあたり、「久保はとてもすばらしいプレーを3回見せたが、プレーにかかわらない時間が長すぎた」と寸評した。
私の同僚のホルへ・セラーノ記者も、「プレーが断続的だった。前半は相手のサイドバックが低い位置にポジションを取ったことでチャンスを作れていたが、ハーフタイム後のシステム変更により、パフォーマンスが悪化してしまった」と同意見だった。
一方、『ディアリオ・バスコ』紙のベニャト・バレト記者は、「得点とアシストを記録してピッチを去るチャンスがあったし、ボールを持っていない時もハードワークし、アマリ・トラオレやホン・アランブルをサポートした」と攻守に渡る働きぶりを称賛した。
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