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町野修斗2年ぶりの日本代表は出場わずか4分間「少し焦りはある」 北中米ワールドカップメンバーに選ばれるには...... (2ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko

【カタールでの悔しさを胸にドイツへ】

 そもそも、2022年カタールワールドカップのメンバーに湘南ベルマーレの町野が選出されたのは、「追加招集」という形だった。左サイドバックなど守備的なポジションで期待されていた中山雄太(当時・ハダースフィールド/現・町田ゼルビア)が負傷し、フォワードの町野にお鉢が回ってきた。

 ところが、というべきか、当然、というべきか。ドイツ戦からクロアチア戦までの4試合で、町野がピッチに立つことはなかった。日本代表のフィールドプレーヤーでピッチに立つことができなかったのは、町野と柴崎岳(当時・レガネス/現・鹿島アントラーズ)のふたりだけだった。

 ワールドカップ後の2023年シーズン、町野は爆発した。

 リーグ戦19試合出場で9ゴール3アシスト。ガンバ大阪戦では1試合4ゴールの大量得点を決めるなど、活躍ぶりは派手だった。湘南は5連敗ののち4連敗するなど決して好調とは言えなかったが、そのなかで町野が新天地を求めていることは口にせずとも見てとれた。

 2023年の夏、移籍ウィンドウが開くと6月29日という極めて早い段階で、町野は当時ドイツ2部だったホルシュタイン・キールへの完全移籍を発表した。

 当時のキールの地元紙は「ワールドカップ戦士がキールという小さなクラブに来てくれる!」と報じ、大騒ぎとなった。「奥川雅也が所属していたこともあって、キールは日本人に愛されているようだ」という記事もあった。ワールドカップで出場時間のなかった町野だが、キールではそのような丁重な扱いを受けた。

 2023-24シーズン開幕戦、キールはブラウンシュヴァイクに1-0で勝利。先発出場した町野は、後半アディショナルタイムの劇的ゴールをアシストしている。筆者はこの試合を取材していたのだが、喜びながらも案外落ち着いた様子だったことをよく覚えている。

「デビュー戦は気合いが入りすぎてダメになるので、冷静にプレーしました。(周囲からの)期待に応えるにはまだゴールを取れてないですし、ボールロストのシーンもあったので、この環境にもっと慣れてミスを減らしたいです」

 町野は試合後、冷静に話していた。

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