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チャンピオンズリーグ・バイエルン戦の激闘を旗手怜央が生々しく語る「キミッヒににらまれ続けた」 (2ページ目)

  • text by Harada Daisuke

【改めて勝敗は細部に宿ることを実感】

 1-2で敗れた第1戦。ホームで戦える地の利があったにもかかわらず、僕らセルティックは、試合立ち上がりから受け身になってしまった。そのため、守備に追われる時間帯が長くなり、チームとして前進できない展開に陥った。

 それでも0-2の劣勢のなか、ラスト20分間では、相手の攻撃をしのぎつつ、自分たちが持てるすべてを出しきり、追いつこうとするアクションを起こせた手応えはあった。その姿勢は、(前田)大然が決めた79分のゴールにも表われていた。

 アウェーで戦ったプレーオフ第2戦も、63分にカウンターからニコラス・キューンがゴールを決めて先制点を奪ったが、アディショナルタイムに失点を許したのは、チームとしても、個人としても、決して小さくはない差があったからだ。

 ひと言で表すとすれば、それはディテール(詳細)の差と言えるだろう。

 例えば第1戦でマイケル・オリーセに決められた45分の得点は、シュートを打たれる前に食い止めることはできなかったのか。例えば、49分にハリー・ケインにボレーを叩き込まれた場面では、相手のエースをフリーにしない選択や判断を取れなかったのか。

 第2戦のアディショナルタイムに喫した失点にしても、自分たちがまだ戦える意欲があっただけに、時間帯や状況を鑑みて、チームとしての戦い方を徹底することはできなかったのか。勢いを持って試合に臨んだ第2戦については、前半に決定機がいくつもあっただけに、そこを確実に決めきっていれば、試合終盤の失点も、その失点の影響も受けずに戦えたのではないか......。

 試合に負けた今、すべては「たられば」になってしまうが、そうした「たられば」につながる理由こそが、結果に影響するし、直結する。バイエルンは、そうした隙を見逃さなかったし、確実に仕留めにくるチームだった。

 以前からディテールの重要性については身に染みて感じていたが、改めて勝敗は、細部に宿ることを実感した。細かいことの徹底や、小さなプロセスの積み重ねによって、勝利は決まるし、小さな行動や行為が大きな結果を生む。

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