久保建英は「非常にフレンドリーで、楽しく、愉快な人物」地元ファンの愛を背に大一番のマンU戦へ (2ページ目)
【子どもたちを虜にしている】
久保は、なかでも子どもや若者から特に人気がある。それは前述のエピソードの結果であるとともに、SNSの存在が拍車をかけている。彼自身はSNSを積極的に活用しているわけではないが、彼の在り方や行動が、子どもたちが視聴する多くの動画の主人公につながることが多いからだ。ゴラッソを決めるにせよ、独特のスタイルで何かを語るにせよ、拡散される動画の主役になり得る能力が彼には備わっている。
久保が意識的にそのような側面を求めているわけではないし、注目されていることもあまり気にしていないように感じる。しかし彼を取り巻く環境はそうではない。私たちが「クボ現象」あるいは「クボマニア」と呼んでいるものが存在するほどだ。
私はほぼ毎日、ラ・レアルに関するさまざまな仕事でスビエタ(※レアル・ソシエダの練習場)に通っているが、その施設の入り口に久保の写真やサインを求める日本人ファンがいない日はない。それが彼の帰宅時に重なる時は車から降り、わざわざ遠くから来てくれたファンに優しく接し、写真を一緒に撮り、サインを書き、リラックスした状態で談笑し、笑顔を絶やさず対応している姿を私は何度も目にしている。
その優しさは彼の生まれた国や文化によるものかもしれないし、あるいは単に彼がそういう人間だからかもしれないが、彼を特別な存在にしているもうひとつの側面はファンとの接し方。それが他の選手と一線を画す点だ。
常にフレンドリーかつ丁寧に接し、時間を使ってファンを特別な気分にさせている。それがサン・セバスティアンの子どもたちをも虜にしている。ここまで丁寧な対応を日常的にしている姿は、他のアイドルにはあまり見られないものだ。これらすべてが相まって、彼をサッカー界で珍しい存在にしているのだ。
おそらく、彼の学んだことや育った環境や文化、そしてレアル・マドリードに所属していたことなど、さまざまなものが混ざり合ったその生き方が彼を他とは違う選手にしており、子どもたちのアイドルになっているのだと思う。
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