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冨安健洋は完全復活なるか 長谷部誠は言った「人生の物事には、すべて意味がある」 (3ページ目)

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Kasuya Hideki

【小野、宮市、そして長谷部も...】

 ラダメル・ファルカオ、アラン・シアラー、アレッサンドロ・デル・ピエロ、ロイ・キーン、ロベール・ピレス、ルート・ファン・ニステルローイ、ロベルト・バッジョ、フランチェスコ・トッティ、シャビ・エルナンデス、フィルジル・ファン・ダイク......。

 大きな故障からカムバックした名選手の面々──実に絢爛豪華ではないか。

 シアラーはサウサンプトンからブラックバーンに加わった1992-93シーズンに前十字じん帯を断裂したが、翌シーズンは31ゴールを記録。英国サッカーライター協会のMVPを受賞した。ニューカッスル移籍後は2度も足首のじん帯に甚大なダメージを負いながら、プレミアリーグ史上最多スコアラー(260得点)の座に君臨している。

 ファン・ニステルローイは1999-2000シーズンにPSVで29ゴールと大ブレイクしたあと、マンチェスター・Uへの移籍が内定していた。ところが、右ひざの前十字靭帯を断裂。移籍交渉は暗礁に乗りあげ、稀代のストライカーは1年ほど戦線を離脱することになった。

「ニステルは終わったな」

 誰しもが否定的になった時、アレックス・ファーガソン監督が獲得を熱望する。結果、マンチェスター・Uで219試合150ゴール。2000年代初期の黄金時代にファン・ニステルローイは必要不可欠だった。

 冨安とポジションを同じくするDFでは、リバプールのファン・ダイクだ。2022年10月のマージ--サイドダービーで右ひざの前十字じん帯を痛め、9カ月後に復帰。しばらくは精彩を欠いていたものの、今ではワールドクラスのセンターバックに返り咲いている。完全無欠のキャプテンに、リバプールはまもなく2年間の契約延長を打診するという。

 日本サッカー界でも小野伸二や宮市亮など、再起不能と言われながらピッチに戻ってきた選手はいる。長谷部誠もそのひとりだ。

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