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久保建英はローテーション起用のなかでもベストパフォーマンスが必要 スペイン人番記者のレアル・ソシエダ後半戦の展望 (2ページ目)

  • ウナイ・バルベルデ・リコン●取材・文 text by Unai Valverde Ricón

【ノンストップのローテーションが続くチーム】

 イマノルは現有戦力に満足し、選手たちを最大限に生かすべく、ノンストップでローテーションを続けている。今季の公式戦36試合目となった直近のエスパニョール戦に、32通り目となる新たな先発メンバーで臨んだ。1シーズンでこれほど多くのスタメンを組むのは非常にまれである。

 イマノルはローテーションを日常化させ、いくつかのグループを作っている。FW陣に関して、久保建英はオヤルサバル、アンデル・バレネチェアもしくはセルヒオ・ゴメスと一緒にプレーすることが多い。一方、オスカールソンはシェラルド・ベッカーとの出場が多くなっている。

 中でも左ウイングは最も動きがあり、イマノルにとって迷いのあるポジションとなっている(※今年に入り、オヤルサバル、バレネチェア、セルヒオ・ゴメス、ベッカーの4人が先発起用されている)。

 昨夏加入したスター選手であるオスカールソンと久保が、ほとんど一緒にスタメン入りしていないのは不思議だが、フレッシュな選手を求めつつ、スタメンを微調整しているようだ。

 中盤では、アンカーを務めるマルティン・スビメンディの代わりを務められる選手が未だに見つかっていない。スチッチとブライス・メンデスは一緒よりも別々に出るほうがいいだろう。そしてアルセン・ザハリャンの完全復活が待たれるなか、パブロ・マリンとジョン・アンデル・オラサガスティが台頭し、ポジション争いでベニャト・トゥリエンテスを上回っている。

 右サイドバックではアマリ・トラオレの復帰を待ちわびるなか、アリツ・エルストンドがホン・アランブルのバックアップを務めている。エルストンドはまた、センターバックとしても力強いプレーを見せ、監督の序列では明らかにジョン・パチェコの上にいる。左サイドバックではハビ・ロペスがアイエン・ムニョスを休ませる役目を担っているが、そのレベルには遠く及んでいない。

 ローテーションを多用している今、チームにはレギュラーと控えの垣根がほとんど存在せず、皆にチャンスが与えられている。そんななか、1年前よりはるかによくなっている久保がもっと上を目指すには、出番が訪れるたびに休むことなく攻撃し、ゴールであれアシストであれ、チームの得点力アップに貢献し、ベストパフォーマンスを発揮し続ける必要がある。

 バレネチェアの先制点につながった国王杯準々決勝オサスナ戦のヘディングはすばらしい功績だが、何よりもそれは彼が成長し続けたことで身につけた、多大な献身性と自信の表れから来るものだった。

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