久保建英が絶好調の理由をスペイン人記者が考察「電光石火」「クラックだけが見せる笑顔」 (3ページ目)
【メンタル面も強い】
久保の高いレベルのプレーを支えている鍵は、メンタル面の強さにもある。彼は試合の流れを変えるような決定的なプレーをするためには、どうプレッシャーに打ち勝てばいいのか、その方法を知っている。彼はその点でもクラック(名手)だ。だからこそ、一部のサポーターから嘆かわしい侮辱を浴びせられたにもかかわらず、バレンシア戦であれほど集中したプレーを見せることができたのだろう。
「クソ中国人、目を開けろ」
バレンシアサポーターは久保を揶揄し、メンタルを崩そうとしたが失敗した。彼らが唯一成し遂げたことは、自分たちが粗暴な人種差別主義者であると世界中に知らしめただけだ。
久保はクラックだけが見せるような笑顔でプレーを続行した。彼はサッカーをするという自分にとって本当に重要なことに集中するために、周りで起こる煩わしい出来事と自分を切り離す術を身につけている。したがってフィジカル面が良好である限り、あのレベルのプレーを維持できると私は確信している。
そして久保がベストの状態であれば、ラ・レアルは国王杯決勝進出、ヨーロッパリーグのラウンド16進出、ラ・リーガでチャンピオンズリーグ出場権争いを最後まで戦い抜くなど、どんなことでも実現できる。これらはイマノル指揮下のチームが2025年に目指すべき目標だ。
この目標が非常に野心的であるとは承知している。しかし、これこそが今のラ・レアルに求められる目標であるべきだ。それがどこまで達成されるかはいずれわかるだろう。というのもラ・レアルの挑戦はフィジカル面に大きく左右されるからだ。
外から見ていて感じるのは、ラ・レアルは選手層が薄いということ。チームには13~14人のトップレベルの選手がいるが、その他にも高いレベルを備えていると思われる選手たちがいる。しかし彼らは実力をうまく発揮できていない。
それによりイマノルはローテーションできる選手が足りなくなっており、その分久保のようなクラックに出場時間を与えざるを得なくなっている。すでに述べたように、トップフォームを維持するために一番重要となるのは休息を取ることだ。それは後半戦を戦ううえで大切な要素となる。
主力選手が欠場していても、勝たなければならない試合がある。そうでなければ野心的な目標を達成することなどできない。いかに久保が肉体的に強靭でもロボットではない。だからこそ、オーリ・オスカルソンのような選手が重要となるし、シェラルド・ベッカーやアンデル・バレネチェアはさらなる飛躍を遂げなければいけない。
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