菅原由勢のクロスはプレミアリーグ屈指の正確性 サウサンプトンが降格するなら迷わず移籍をオススメする (2ページ目)
【菅原のアシスト数が少ない原因】
もちろん、過去には2006-07シーズンのウェストハムが30節から7勝2敗、 2014-15シーズンのレスターは残り9試合を7勝1分1敗という驚異的な復元力を見せ、見事に生き残った例もある。
だが、折り返し点を迎えた時点でウェストハムは18ポイント、レスターは13ポイントを刻んでいた。サウサンプトンの6ポイントは絶望的すぎる。
「若く、有能な選手が揃っている。このチームを率いるのが楽しみだ」
監督就任直後のベリッチが語ったように、サウサンプトンは少なからぬ有望株を擁している。CBテイラー・ハーウッド=ベリス(22歳)、MFタイラー・ディブリング(18歳)、そしてSB菅原由勢(24歳)の3人だ。
ハーウッド=ベリスはマンチェスター・Cのユースで育ったサラブレッドだ。足もとの技術に優れ、パスの精度も非常に高い。なおかつ対人に強く、現代サッカーがCBに求める要素をすべて搭載した逸材である。
「ポテンシャルは申し分ない」
イングランド代表のトーマス・トゥヘル監督も要注目のスーパースター候補生だ。
ディブリングはマンチェスター・Uがモニタリングを続け、早ければ今冬にも正式オファーを届けるとも噂される右サイドのアタッカーだ。柔軟なドリブルでマーカーを無力にし、ボールコントロールは優雅ですらある。彼もまた、エリート候補といって差し支えない。
そして菅原は、昨年7月にオランダのAZから完全移籍してきたプレミアリーグ1年目。右足から放たれるクロスは、プレミアリーグでもトップクラスの正確性を誇っている。
チームのアタッカーがバタバタしなければ、インサイドで的確にミートさえしてくれれば、菅原のアシスト数は絶対に増えていた。20試合を消化した時点でたった2。冗談じゃない! ふたケタ近くあってしかるべきだ。
チーム自体の決定力が低いため、彼らの連係が整ってもおのずと限界はあるだろうが、ゲームプランの基軸にハーウッド=ベリス、ディブリング、菅原を据え、右サイドにストロングポイントを作る──。プレミア残留の一策として考えられなくはない。
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