サッカー日本代表がブンデスリーガで存在感発揮 堂安律は絶対的存在 板倉滉は影響力絶大 (2ページ目)
【最終ラインの中心で影響力のあるプレー】
板倉滉(ボルシアMG/DF)
今季、ブンデスリーガで戦う日本人選手たちのなかで、唯一全試合フル出場を続けているのが板倉滉だ。
ボルシアMGに加入して以来、これまではケガもあってなかなかフル出場するシーズンがなかった。ただ、今季はここまで大きなケガもなく、最終ラインの中心としてプレー。ピッチに立ち続ければその影響力は絶大で、近年下位争いが定番化していたチームをヨーロッパカップ戦出場権が狙える位置にまで押し上げている(第15節終了時点で8位)。
特に今季のボルシアMGは、板倉が出場し続けていることのメリットが大きいように感じる。昨季も後方からのビルドアップを目指していたが、板倉不在の時期は、なかなか完成度が高いものになっていかなかった。
しかし今季は、板倉を中心にスムーズなビルドアップが可能になっており、まだ完璧ではないものの、チームとしてやろうとしていることがきちんとピッチ上で表現されている。その結果、昨季以上にチャンスの数が増えており、勝ち点奪取につながっているのだ。
また、守備的な観点でも、板倉はGKや相方のセンターバックが変わったりするなかでも、チームを鼓舞する言葉を投げかけながら最終ラインを統率。要所でのボール奪取や最後のところで体を張るなど、細かいところでも気の利いたディフェンスを続けており、チームの守備を引き締めている。
実際、昨季は15試合を終えて失点33だったチームが、今季はリーグ4位タイの数字となる失点20となっており、板倉の守備面での奮闘が明確に数字に出ていると言っていいだろう。
後半戦に向けてポイントになるのは、やはりケガをせずに1年間を戦いきることだ。ブンデスリーガの舞台では、まだ1年間試合に出続けた経験がない。ここでハイパフォーマンスを続けながらフル出場できれば、評価はさらに高まることになる。最終ラインをまとめつつ、自身のパフォーマンスに磨きをかけて、チームをさらに上へと押し上げていきたい。
著者プロフィール
林遼平 (はやし・りょうへい)
1987年生まれ。埼玉県出身。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることに。帰国後、サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして各社スポーツ媒体などに寄稿している。2023年5月からドイツ生活を開始。
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