三笘薫、忍者のごとき決勝弾 アタッカー陣中、唯一のフル出場でブライトンの勝利に貢献 (3ページ目)
想起するのは、ウルブズ戦(現地時間10月6日)だ。2-0のリードで迎えた後半35分、ハーツラー監督は布陣を5バックに変更。後ろを固める作戦で、逃げきりを図ろうとした。後半43分に1点差にされると、三笘もベンチに下げている。その結果、アディショナルタイムに同点弾を浴び、引き分けてしまった。
その反省からだろうか。この試合は最後まで4バックで突っ張った。しかも両ウイングつきの4-2-3で、である。
ブライトンは後半47分にはデイビッド・ブルックス(ウェールズ代表)にゴールを奪われ、2-1とされる。だが、終了間際、アントワーヌ・セメンヨ(ガーナ代表)に放たれた強烈なシュートは、バー直撃弾に終わる。ブライトンは10人になりながらも攻撃的サッカーを貫き、勝ち点3をものにした。チームに勢いをつかせる勝利。三笘の決勝ゴールにも同様の価値がある。
ブライトンはノッティンガム・フォレストを抜き、暫定順位ながらヨーロッパリーグ出場圏内である5位に浮上した。
著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。
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