チャンピオンズリーグの新名将対決はリバプールの大勝 シャビ・アロンソのレバークーゼンをどう攻略したのか (2ページ目)
【選手個々の能力差が如実に現われた】
そしてこの日も、ハーフタイムの修正がモノを言った。一進一退の前半がスコアレスで終わると、スロット監督は選手こそ代えなかったが、選手の動き方を調整。試合後に指揮官はこう語っている。
「前半よりもリスクを取ることに決めた。(ルイス・ディアスを前線中央で先発させたのは)攻撃陣に負傷者が出ていることもあるが、相手のセンターバック、(ヨナタン・)ターはドイツのベストDFで、とくにターゲットマンに強い。だから我々はルチョ(ルイス・ディアスの呼び名)を中央に置きつつ、左から流れたり、中盤に落ちるように指示していた。しかし後半は、相手最終ラインの裏を取る動きを多くするように伝えた」
61分の先制点は、まさにそれが実った形だ。トレント・アレクサンダー=アーノルドがボールを持って顔を上げると、2トップ気味に前に張り出していたカーティス・ジョーンズが中盤に降りてパスを受ける。するとその瞬間に、ディアスが相手DFラインの裏に抜けてスルーパスを引き出し、巧みなループシュートでGKルーカス・フラデツキーの頭上を抜いてネットを揺らした。
畳み掛けるリバプールは週末のブライトン戦と同様に、2分後に追加点を奪取。ディアスが運んで右へパスを出すと、モハメド・サラーがダイレクトでクロスを上げ、ファーポストに飛び込んだコーディー・ガクポがヘディングを叩き込んだ(一旦オフサイドの旗が上がるも、VARでゴールが認められた)。
さらに83分には再びサラーのクロスから、今度はディアスが相手に競り勝って冷静に流し込むと、後半アディショナルタイムには鋭利なカウンターアタックから途中出場のダルウィン・ヌニェスがシュートを放ち、DFにブロックされたこぼれ球をディアスが押し込んだ。ウイングを主戦場としてきたディアスは、中央で先発したことが奏功したのか、リバプールでの約3年間で初のハットトリックを達成している。
接戦も予想された好カードだったが、終わってみれば、4-0の大差で決着。この試合に限って言えば、指揮官の戦術的な手腕に加え、選手個々の能力差が如実に現われたように思えた。
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