三笘薫のドリブルが敵に植えつける「やられた感」 逆転負けも前半はリバプールを圧倒 (3ページ目)
だが後半は、先述したようにリバプールペースに一変する。リバプールのアルネ・スロット監督がハーフタイムに出した指示が奏功したということになる。前半あれだけ活躍した三笘も沈黙。アレクサンダー・アーノルドとの1対1をものにできなくなった。後半25分、コディ・ガクポ(オランダ代表)に同点ゴールを許すと、27分にはモハメド・サラー(エジプト代表)に逆転ゴールを浴びた。
三笘を採点するならば前半7、後半6。前後半を通すならば6.5となる。遠藤はプレー機会が少なく採点不可能だが、途中から入ってもこのハイレベルの好試合にすんなり溶け込むことができていた。ふたりの日本人選手がそのピッチに立っていたことを誇ることができる試合。サイドを使いボールをよくつなぐ、見栄えのいい攻撃的サッカー同士による、この世界をリードする模範的な一戦だった。
この日、マンチェスター・シティがボーンマスに不覚を喫したため、リバプールは首位に浮上。ブライトンは順位をひとつ下げて7位に後退した。
著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。
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