サッカー日本代表の3バックとは違う 三笘薫がブライトンの布陣変更で見せた別格の動き (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

 日本ではいままで、3バックといえば2シャドー型(3-4-2-1)と相場は決まっている。3-4-3はまず見ない。元日本代表監督アルベルト・ザッケローニがウディネーゼ監督時代に得意とした布陣だが、ザックジャパンではうまくいかなかった。

 実現したのは次のアギーレジャパン時代で、それは4-3-3との可変式だった。マイボールに転じたとき、4-3-3の守備的MFだった長谷部誠が最終ラインに降り、同時に、両SBが高い位置を取り3-4-3を形成する。

 なぜ3バックといえば3-4-2-1なのか。日本サッカー史上最高の左ウイングであり、現在の欧州組のなかで最高のフットボーラーと断言できる三笘の力を最大限に活用しようとすれば、最適解は3-4-2-1の左ウイングバックではない。どうしても3バックにこだわるなら、なぜブライトン式にしないのか。

 代表ウィーク明けに行なわれたこのニューカッスル戦は、「三笘」という共通項を通して森保ジャパンを考えるにはいい教材だった。三笘の力を日本代表でどう活かすかに、もっと焦点を当てるべきではないのか。学ぶべきことはハイレベルの攻防のなかにある。

著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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