サッカー日本代表の3バックとは違う 三笘薫がブライトンの布陣変更で見せた別格の動き (2ページ目)
【ブライトンが3バックに】
後半26分と27分には、左サイドでボールを受け、ドリブルで仕掛けながら、それぞれMFジャック・ヒンシェルウッド(U-19イングランド代表)、左SBペルビス・エストゥピニャン(エクアドル代表)とのコンビネーションで縦のエリアを崩した。
このウイングプレーが絵になった。三笘が投入されるまで、左ウイングを務めていたヤシン・アヤリ(スウェーデン代表)に、この典型的な左ウイングとしての絵柄を望むことはできない。
ウイングバックとしてプレーする日本代表の三笘は、単独プレーになりがちだ。孤立して見えるが、4-2-3-1の布陣上では、周囲とのコンビネーションプレーにも期待が持てる。攻撃はこちらの方が多彩になる。後半39分、さらにアディショナルタイムに入った後半47分には際どいシュートも放っている。長距離移動の疲れもなんのその。出場時間はアディショナルタイムを含め40分弱だったとはいえ、三笘の動きはタイムアップまですこぶるよかった。採点すれば、控え目に見ても7点に近い6.5という感じだった。
後半36分、ブライトンのハーツラー監督は布陣を4-2-3-1から3-4-3に変えた。1-0を保つべく、守備固めに出たわけだ。数日前に実際に見たばかりの森保式3バックの3-4-2-1と比較せずにはいられなくなった。
三笘はサウジアラビア戦と、オーストラリア戦では後半25分に中村敬斗が投入されるまでの間、ウイングバックとしてプレーした。オーストラリア戦で後半25分からプレーしたのは2シャドーの左側だった。
一方、ニューカッスル戦の終盤は3-4-3の左ウイングに入った。3-4-2-1の2シャドーの左より確実に外側だった。そして相手ボールに転じると、5-4-1の4の左へと移動した。
3-4-2-1と3-4-3の差は大きい。相手ボールに転じれば5-4-1になる点は同じだ。何が言いたいのかと言えば、三笘の移動距離だ。3-4-2-1の2シャドーの左から5-4-1の4の左への移動と、3-4-「3」の「3」の左から5-4-1の4の左への移動とでは、どちらがサッと移行することができるか。移動距離が少ないのはブライトンの三笘だ。それは高い位置から網を掛けやすいことを意味する。
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