久保建英はもっと得点を増やさなければいけない? レアル・ソシエダ番スペイン人記者の見解 (3ページ目)
【チームは得点力不足に悩む】
それでも、10月6日のアトレティコ・マドリード戦(1-1)では、久保はここ数カ月で最高のプレーを見せた。「もし自分が打ったシュートのうちのどれかが決まっていたら、2024年を通じてのベストゲームになっただろう」と試合後のインタビューで認めていたほどだ。
イエローカードが提示されるまでファウルを繰り返してきた元チームメイトのハビ・ガランやクレマン・ラングレにとって、久保は頭痛の種となった。
しかし、彼がペナルティーエリアに近づいても、判断の悪さもあって実を結ばなかった。シュートは何度も枠を外し、カットインして左足でGKのニアポストを狙ったシーンは、好位置にいたヤン・オブラクにセーブされた。また、今季は多くのGKにその意図を読まれている。
そのため、外からクロスをあげるシーンが何度かあったが、フィニッシャーを見つけられない。センターフォワードとしてフル出場したミケル・オヤルサバルは、久保のボールに合わせられなかった。
ベンチにはオーリ・オスカルソンやウマル・サディクという、ラ・レアルがそれぞれクラブ史上最高額の2000万ユーロ(約32億円)で獲得したヘディングの強いストライカーがいたが、イマノルは投入を見送った。この決断はレアリスタ(レアル・ソシエダサポーター)の間で批判されている。
アトレティコ戦を見てもわかるように、ラ・レアルは長い間、攻撃陣の得点力不足に悩まされている。チャンスを作るという点は多くの試合で問題になっておらず、複数得点が当たり前の時期もあった。
しかし、特に最近は決定力不足を露呈している。もしボールを受ける選手の精度がもっと高ければ、久保、ブライス・メンデス、アンデル・バレネチェア、セルヒオ・ゴメスといった選手たちは、アシスト数をもっと伸ばせていたはずだ。
こうして今季のラ・レアルと久保の出だしは低調だったが、両者は手を取り合って成長しており、緑の芽が見え始めている。クラブの誰もが、ラ・レアルは間もなくベストのレベルを取り戻すことができると確信しており、それは久保が攻撃のリーダーのひとりとして活躍した場合のみ可能となるだろう。
(髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki)
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著者プロフィール
高橋智行 (たかはし・ともゆき)
茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、リーガ・エスパニョーラを中心としたメディアの仕事に携わっている。
【画像】久保建英のレアル・ソシエダほか 欧州サッカー今季注目16クラブのフォーメーション一覧
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