久保建英はもっと得点を増やさなければいけない? レアル・ソシエダ番スペイン人記者の見解
久保建英はアトレティコ・マドリード戦で今季3回目のフル出場を果たし、特に後半、すばらしいパフォーマンスを披露。それでもチームはまだ不調を脱したわけではない(第9節終了時で15位)。今回はスペイン紙『ムンド・デポルティボ』でレアル・ソシエダの番記者を務めるウナイ・バルベルデ・リコン氏に、今のチームを救うために久保がやるべきことを分析してもらった。
【もっと多くのゴールやアシストが必要】
久保建英はレアル・ソシエダの今シーズンの悪い流れの影響を受け、最高の瞬間を過ごしているわけではない。
久保建英はアトレティコ・マドリード戦で見せ場を多く作った photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIAこの記事に関連する写真を見る チームがベストの形で機能しなければ、個人がパフォーマンスで抜きん出ることは困難だ。しかし、トッププレーヤーはチームが不調に陥っている時こそ、その流れを変えるために存在感を発揮しなければならない。
久保は昨年のチャンピオンズリーグのグループリーグで輝き、ラ・リーガで決定的な活躍を見せた最高の姿を今年はまだ見せられていない。それはラ・レアルの低迷と密接に関係している。
久保は自分が本来やるべきレベルのプレーができていないことを自覚している。常にボールを求め、プレーを生み出そうとしているので、存在感が薄れているとか、努力が足りないなどと責めることはできないが......。
しかし、閃きが欠如しているため、場合によっては焦って個人主義になりすぎてしまうことがある。ペナルティーエリアに近づいた時に、適切な判断をどう下せばいいかわからなくなっているようだ。
それが、ゴールやアシストを積み重ねられていない主な理由かもしれない。久保がさらなるスターになることを望むなら、もっと多くのゴールやアシストを記録する必要がある。
また、イマノル・アルグアシル監督は今季、過密日程による疲労を考慮して選手のローテーション起用を増やしている。そのため、久保は特にヨーロッパリーグ(EL)での出場時間が短くなっている。それも例年よりゴールが少ない理由のひとつと言えるだろう。
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著者プロフィール
高橋智行 (たかはし・ともゆき)
茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、リーガ・エスパニョーラを中心としたメディアの仕事に携わっている。