バルセロナが今季好調! 林陵平がその理由を深掘り解説「中央から攻撃できる」「むしろ守備がいい」 (4ページ目)
【相手によって守り方を自在に変える】
では、違うビルドアップの形の相手、例えば第4節のジローナ戦ではどう守ったか。ジローナは4-2-3-1の基本陣形のところから左SBがかなり中に入ってきて、後ろが3枚気味の3-2-5のような形で、うまくビルドアップしてくるチームでした。
これに対してバルセロナは、相手の後ろ3枚に対して、前の3人、ヤマル、レバンドフスキ、ラフィーニャを当てました。そうなると相手の2ボランチに対してダニ・オルモひとりでは見られないので、ペドリが出ていってふたりで捕まえる。それで、カサドが相手のシャドーのひとりを捕まえて、もうひとりをどうするかなと思ったら、右SBのクンデを出して捕まえた。こうなるとバルセロナの最終ラインはそれぞれ1対1の数的同数になってしまうんですが、そのようなはめ方をしました。
このように、相手によって自分たちのプレッシャーかけ方も変えながら守る。本当に自在に変えている。このあたりの整備がすばらしいなと思います。
前線の選手たちも(パスコースに)規制をかけるというよりも、プレッシャーをかけにいったら、もうボールを奪いきろうとしています。大体前線の選手規制だけかけて、後ろで取ればいいでしょとなるところなんですが。でも、こうして一人ひとりのボールホルダーに対してプレッシャーがしっかりかかっているので、後ろの選手たちも相手を掴みやすいというシーンが見られています。
本当に守備がいいんです。「むしろバルセロナ、守備がいいんだよ」というところが、今の強みだと思います。
遠藤航、冨安健洋、南野拓実など日本人選手の活躍にも期待!
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著者プロフィール
林 陵平 (はやし・りょうへい)
1986年9月8日生まれ。東京都八王子市出身。ジュニアからユースまで、東京ヴェルディの育成組織でプレーし、明治大学を経て2009年に東京ヴェルディ入り。レフティの大型FWとして活躍した。10年に柏レイソルに移籍し、11年にJ1優勝を経験。その後、モンテディオ山形、水戸ホーリーホック、再び東京Ⅴ、FC町田ゼルビア、ザスパクサツ群馬でプレーし、20年に現役を引退。Jリーグ通算300試合出場67得点。現役時代から海外サッカー通として知られ、メディア出演多数。現在はプレミアリーグからJリーグまで幅広く解説を務め、トップランナーとして活躍中。
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