バルセロナが今季好調! 林陵平がその理由を深掘り解説「中央から攻撃できる」「むしろ守備がいい」 (2ページ目)

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【中央から攻撃できるのが強み】

 そうして相手のDFラインが下がったら、今度はライン間を使うといった使い分けもうまいです。あとは相手が陣形をコンパクトにしてきた時でも、中央の攻撃を本当にうまく使えていると思います。ここにはラフィーニャが入ってきて、ペドリもいる、ダニ・オルモもいて、最前線にレバンドフスキがいる。

ラ・リーガ開幕7連勝(9月25日時点)と好調のバルセロナ photo by Getty Imagesラ・リーガ開幕7連勝(9月25日時点)と好調のバルセロナ photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る そのなかでは、やはりダニ・オルモとペドリですよね。このふたりが真ん中にいることによって、センターバック(CB)のパウ・クバルシやイニゴ・マルティネスから縦パスが出せますし、カサドもボールを受けた時に前に出せる。とにかく相手のライン間で、ペドリ、ダニ・オルモやラフィーニャも含めてボールを引き受け、前を向けるのが大きいです。

 両サイドの高い位置にバルデやヤマルがいるので、そこにボールを出すこともできるんですが、こればかりだと相手のブロックの外で回すことになり、怖くない。ところが今シーズンのバルセロナは、中にボールを刺せるんです。そこからペドリ、ダニ・オルモらとレバンドフスキのコンビネーションで突破できる。

 また、それを警戒して相手が中を閉めてくると、ここで外のバルデやヤマルがフリーになって、サイドからの攻撃も生きてくる。今シーズンは、こうした攻撃のバリエーションが本当に多彩で、かなり強みになっています。

 さらには、ボールロストしたあとの守備。カウンタープレスですね。ボールを保持してゆっくりと全体を押し進めながら攻撃しているので、陣形が整っているわけです。それだけにカウンタープレスが速い。これはフリック監督の特徴で、ドイツ代表監督時代からもそうでしたが、選手たちの反応のスピードが速いです。

 だからボールを奪われてもすぐに奪い返して、二次攻撃、三次攻撃につながっています。攻撃から守備のつなぎ目がないような状態でプレーできているのが、今のバルセロナかなと思います。

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