セルティックで今季開幕から好調の旗手怜央が意識していること 監督から言われた課題が影響
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セルティックでの新シーズンで、旗手怜央は開幕から好調なプレーを続けている。今季自ら意識しているプレーや、またブレンダン・ロジャーズ監督から言われている課題について語った。
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旗手怜央は第5節を終えて2得点。今季は結果にこだわるシーズンだ photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る
【ビッグクラブとの対戦で感じた個の力の大切さ】
スコットランドで迎える4シーズン目がスタートしている。開幕から迎えたのは、これで3回目になる。
昨季は度重なるケガもあったので、このプレシーズンではさらに入念に準備をし、順調にコンディションを上げることができた。
セルティックはアメリカツアーを実施し、マンチェスター・シティやチェルシーといった名のあるチームと対戦する機会にも恵まれた。
この夏にコパ・アメリカ2024やユーロ2024が開催されて、各国の代表選手が不在な状況もあり、プレシーズンマッチでは多くの若手選手が出場していた。また、開幕前でそれぞれ身体が仕上がっていない状態ではあったが、それでも得たものは大きかった。
マンチェスター・シティ戦では、カルバン・フィリップス(現イプスウィッチ)とマッチアップしたり、チェルシーにはリース・ジェームズ、クリストファー・エンクンクがいたり、途中からはラヒーム・スターリング(現アーセナル)もピッチに出てきた。そうした相手に対して、自分のプレーを見せられたのは、ひとつ手応えになったが、得点やアシストといった数字が残せなかったのは、開幕に向けた個人的な課題になった。
マンチェスター・シティやチェルシーは、主軸を欠いてもなお、プレススピードが速く、そのなかで自分に何ができるのか、試される機会にもなった。彼らはチームしての戦術を持ちつつも、大事な場面や最後の局面では、一人ひとりの個の力で打開してきた。その局面でこちらが崩れてしまうと、チームとして崩れてしまうことも痛感した。
すなわち、個の力が高まれば、よりチームの戦術が生きることを知った。戦術はチームとして戦ううえでは、ものすごく大事な要素のため、疎かにも、バラバラになってもいけない。戦術はチームとしての方向性を示すひとつの意志表示でもあるからだ。ただ、レベルが上がれば上がるほど、最終的に、個の力が問われることを彼らと対戦して実感した。
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プロフィール
旗手怜央 (はたて・れお)
1997年11月21日生まれ。三重県鈴鹿市出身。静岡学園高校、順天堂大学を経て、2020年に川崎フロンターレ入り。FWから中盤、サイドバックも務めるなど幅広い活躍でチームのリーグ2連覇に貢献。2021年シーズンはJリーグベストイレブンに選ばれた。またU-24日本代表として東京オリンピックにも出場。2022年3月のカタールW杯アジア最終予選ベトナム戦で、A代表デビューも果たした。2022年1月より、活躍の場をスコットランドのセルティックに移して奮闘中。