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セルティックで今季開幕から好調の旗手怜央が意識していること 監督から言われた課題が影響 (2ページ目)

  • text by Harada Daisuke

【結果を残し続けることで周りも変化する】

 迎えたリーグ開幕のキルマーノック戦では、17分に、今季のチームファーストゴールをマークした。

 数字を意識して臨んだシーズンで、開幕戦から結果を残せたことに安堵した。得点の場面では、左サイドからパスを受けた瞬間に前を向き、右足で相手GKのニアを突いた。

 ポイントにしたのは、パスを受ける前の予備動作。前を向くにしても、ターンをするにしても、相手が目の前にいたらプレーができないのではなく、自分が前に出るのか、後ろに下がるのか、それとも横に動くのかなどといった準備で、次のプレーの選択は変わる。

 だから、得点シーンに当てはめると、パスを受ける前にすべては決まっていたように思う。あとは、自分がシュートを打てる位置にボールをコントロールして、右足を振るだけだった。ボールを受ける前の動きは、どのレベルにおいても重要な動作になるため、それがスムーズにいったところに手応えはあった。

 開幕戦でキルマーノックに4-0で勝利したセルティックは、続く第2節でハイバーニアンに2-0、第3節でセント・ミレンに3-0、第4節でもレンジャーズに3-0で勝利。第5節のハーツ戦も2-0で勝ち、5連勝を飾った。

 第3節のセント・ミレン戦でも33分に(前田)大然のアシストからゴールを記録した。大然が左サイドを上がってきた時には、中に折り返すと予測できていたため、パワーではなく、コースを狙ってシュートした。ポストに当たったけど、自分が思い描いたとおりのシュートになった。大然のクロスに対して、2列目の自分がゴール前に顔を出す。その位置まで走り込めたこと、また、反応できたところは、自分を素直に評価したいと思う。

 プレシーズンからずっとプレーを続けてきて結果を残し続けていることで、今季はピッチにいるチームメートが、より自分を見てくれているように感じている。

 昨季は復帰しては負傷し、戦線離脱を繰り返していたため、チームに対して遠慮とまでは言わないが、それまでの流れを大事にしていたところがあった。自分が不在の間に、チームとしての形もできあがってきていたため、その流れを乱さずに、うまく調和することを優先していた。

 しかし、今季はシーズン開幕前から関われているため、自分が思うことは遠慮なく周りに伝え、積極的に要求もしている。

 戦術的な話になるため、詳細はオープンにできないが、センターバックに対しても、左足でボールを持つよう求めたり、ビルドアップで自ら持ち運ぶ時には、スピードを上げすぎないことも要求した。チームメートも自分の意見やアイデに耳を傾けてくれ、チャレンジしてくれるので、ボールが円滑に回るようになってきている。

 自分の出来によって、チームの出来は変わる。スコティッシュプレミアリーグにおいて、セルティックはボールを持てるし、いいサッカーができる自信もある。自分がそこでいいプレーをすれば、チームは自ずと勝ち続けられると思っている。

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