三笘薫、マンU戦で今季初アシストも懸念浮上 昨季よりプレー機会が少ないのはなぜか (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【貢献度は高く結果も残しているが...】

 接触プレー以外で満足にボールを扱ったシーンはわずか1度に終わった。ライン際で左SBジャック・ヒンシェルウッド(元U-19イングランド代表)のパスを受け、ドリブルを開始。対峙する相手の右SBヌサイル・マズラウィ(モロッコ代表)に深々とした切り返しを敢行したものの、決定的なボールを送り込めなかった――という38分のプレーである。

 三笘はこの日も開幕戦同様、後半44分までプレーした。最後まで集中力を切らさず、ミスも一切なかった。だが、見せ場はわずかだった。アシストシーンと38分のプレーに限られた。後半8分のシーンでは左でボールを受けても、縦を狙う素振りを見せず、ヒンシェルウッドとのパス交換で終わらせている。にもかかわらず、ほぼフル出場した。

 これをどう見るか。開幕戦のエバートン戦の原稿でも触れたことだが、気になるのはプレー機会の少なさだ。この日のウイングで言えば、マンチェスター・ユナイテッドで先発したふたり=ディアロ(右)、マーカス・ラッシュフォード(左・イングランド代表)、ラッシュフォードと交代で入ったアレハンドロ・ガルナチョ(アルゼンチン代表)、さらにはブライトンの右ウイングで先発したヤンクバ・ミンテ(ガンビア代表)と比較しても、プレー機会で大きく劣った。プレミアを代表する左ウイングには見えなかった。

 三笘は、ボールが回ってこないとイライラし、持ち場を離れてチームのバランスを乱すタイプの選手ではまったくない。ポジションをカバーする概念に富んだ、クレバーな今日的選手だ。"俺が、俺が"と我を張ることもない。自己顕示欲はかなり低めである。極めて淡々と冷静にプレーする。

 プレー機会が少なくても、貢献度は高い。玄人受けする選手であり、監督受けもいいはずだ。結果も残している。開幕戦では得点を決め、この2戦目ではアシストを決めた。「見出し」を見る限り、活躍しているように見える。 

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