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松井大輔が「稀代のドリブラー」を語り尽くす 三笘薫は「陸上選手のように走る。追いつくのは至難の業」

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi

【新連載】
松井大輔「稀代のドリブラー完全解剖」
第1回:三笘薫

 現在イングランド・プレミアリーグの「ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオン」でプレーする日本代表の三笘薫(27歳)。彼の代名詞とされるのが、ドリブルだ。

 筑波大学卒業後に加入した川崎フロンターレ時代から異次元の突破力を誇っていた三笘だが、2021年からヨーロッパに活躍の場を移してからも進化を続け、今では世界最高峰のプレミアリーグでも「屈指のドリブラー」として知られるようになっている。日本人フットボーラーとしては、おそらく史上最高のレベルに達していると言っていいだろう。

なぜ三笘薫のドリブルは誰も止められないのか photo by Getty Imagesなぜ三笘薫のドリブルは誰も止められないのか photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る しかも、そのドリブルはほかの選手とは一線を画したスタイルで、あえて表現するなら"三笘流ドリブル"。周囲の選手とは異なるスタイルで、次々と対峙する相手を抜き去っていく。

 なぜ三笘のドリブルは、無類の突破力を発揮できるのか。なぜ対峙する相手は、三笘を止めることができないのか。

 現役時代は「稀代の天才ドリブラー」として名を馳せ、現在は横浜FCフットボールアカデミーサッカースクールのコーチとして「対人強化クラス」を担当する元日本代表の松井大輔氏が、"三笘流ドリブル"を徹底解説してくれた。

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「最大の強みとなっているのが、左サイドでボールを持った時に自分で仕掛け、高い確率で縦に抜くことができる、ということです。相手との距離があればスピードで抜き去り、距離が近ければ自分の間合いに持ち込んで抜き切ることもできる。

 それが前提になっているので、対峙する相手はまず、縦を警戒します。ただ、縦のコースを切られたら、今度は中央側のコースにドリブルしてシュートに持ち込むことができる。そのどちらも精度が高いので、相手は止めるのが難しい。どちらかひとつではダメで、その両方がハイレベルであることが、彼の突破力のベースとなっています」

 では、実際に三笘はどのようなドリブルテクニックを使っているのか。その独特なスタイルについて、テクニカルな部分を具体的に説明してくれた。

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著者プロフィール

  • 中山 淳

    中山 淳 (なかやま・あつし)

    1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)

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