エムバペ人気沸騰! その陰で巨額マネーでトラブル続発 PSGとは裁判沙汰、レアルにも頭痛の種 (2ページ目)
【PSGのレジェンドにはならない】
おまけに彼はスペインで、PSGについていろいろなことを言っている。たとえば数日前には、練習後のおしゃべりで、エムバペはフェデリコ・バルベルデにこう言った。
「ここでの練習はパリとは比べものにならない。スペインのフィジカルトレーニングはずっと難しく、真剣だ」
PSGの練習はレアルの足元にも及ばず、だからいつまでもチャンピオンズリーグ(CL)で勝つことができない。暗にそう言っているととられかねない発言を、多くの記者が耳にしている。
PSGとの間には金銭的な争いもある。エムバペは、給料とボーナス合わせ8000万ユーロ(約128億円)が未払いで、7月31日までに支払うように弁護士を通じてPSGに通告していた。しかしその期日を過ぎてもPSGには払う気配がない。いや、払いたくない。彼らは払わないことで、エムバペの契約更新拒否により、どれだけ被害を被ったかを世に知らしめ、自分たちを正当化したいのだ。
フランスの記者によると、2022年にエムバペが契約を更新した際、PSGはエムバペが今後も長くチームに留まってくれる前提で1億8000万ユーロ(約288億円)のボーナスを約束した。しかし、彼は長く留まるどころか、チームを出たいと毎年ごねて、2年後に出ていった。だから払わないのは当然、というのがチーム側の言い分だ。
この件は現在、裁判所に持ち込まれている。ちなみに実際の未払い分の金額は7000万ユーロ(約112億円)のようだが、8000万としているのは遅延金だそうだ。
エムバペとPSGとのもめ事は何もこれが初めてではなく、これまでに何回も繰り返されてきた。エムバペはPSGで歴代最多の225ゴールを決め、本来ならばチームの歴史に残る存在となったはずだ。しかしこうした経緯から、決してチームのレジェンドにはならないだろう。
フランスリーグ自体も、エムバペがいるといないとでは、放映権の売り上げが大きく変わってくる。それなのに出ていったうえ、さらに金をほしがっているように映る。もはやフランス人にとってエムバペは親しみや愛情を持てる人物ではなく、多くの人が、まるでうしろ足で砂をかけられているように感じているのだ。
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