パリオリンピック男子サッカーは「23歳以下」世界のU-23選手の市場価値のトップ10を調べてみた (4ページ目)

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko

【ヨーロッパ各国にいる若き才能】

 9位にはペドリのほかに4人の選手が同列で並んでいる。チェルシー(イングランド)のコール・パーマー(イングランド代表)は昨季22得点とキャリアハイを記録して大ブレイク。その活躍によって代表デビューも果たし、EURO2024では流れを変える切り札としてチームの決勝進出に貢献した。

 シャビ・シモンズ(オランダ代表)もバルセロナのカンテラ産で、技巧派MFの人気銘柄だ。一昨季、PSV(オランダ)での19得点8アシストのブレイクを機に、昨季はライプツィヒ(ドイツ)へ移籍すると8得点11アシストとブンデスリーガでも高いクオリティを披露。どこもローン移籍のため、所属先のパリ・サンジェルマン(フランス)に戻ったが、来季はどこでプレーするのか注目される。

 ナポリ(イタリア)のフヴィチャ・クヴァラツヘリア(ジョージア代表)は、小国ジョージアが産んだ最高傑作のウインガー。左サイドでの打開力は抜群で、昨季は11得点6アシストと高い得点力も兼備する。先日のEURO2024ではグループステージ第3節でポルトガル相手に先制点を挙げ、母国を初のベスト16へと導いたのは感動的だった。

 最後はアーセナルのウィリアン・サリバ(フランス代表)。昨季リーグ最少失点を誇るアーセナル守備陣の要が、DFでは唯一のランクインとなった。まだ23歳なのが信じられないほどの落ち着きと貫禄があるプレミアリーグ屈指のセンターバックで、圧倒的な対人守備の強さに、サリバとの勝負を避ける選手もいるほどだ。

 今季もヤマルやビルツのように、市場価値を急上昇させる若きタレントが台頭するのか。次世代を担うニュースターの出現に期待したい。

プロフィール

  • 篠 幸彦

    篠 幸彦 (しの・ゆきひこ)

    1984年、東京都生まれ。編集プロダクションを経て、実用系出版社に勤務。技術論や対談集、サッカービジネスといった多彩なスポーツ系の書籍編集を担当。2011年よりフリーランスとなり、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿や多数の単行本の構成を担当。著書には『長友佑都の折れないこころ』(ぱる出版)、『100問の"実戦ドリル"でサッカーiQが高まる』『高校サッカーは頭脳が9割』『弱小校のチカラを引き出す』(東邦出版)がある。

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