山根視来がアメリカに行って感じたこと 「あらためて川崎フロンターレのサポーターはすごかった」 (3ページ目)
【同僚には吉田麻也という最高のお手本】
── チームメイトの吉田麻也さんはどんな存在ですか?
「代表でも一緒でしたので以前から知っている人ではありますが、ちょっと僕とは経験値が違いますし、お手本という存在です。サッカーでもプライベートでも、一緒にいると身が引き締まる思いです。
もちろん、いつもリラックスしてコミュニケーションを取っていますけど、『この人がこれだけやっているから自分もやらなくちゃ』という気持ちにはなります。練習後にパッと帰っちゃう人が多いんですけど、麻也君は常に自分と向き合って体のケアをしている。『こういう生き方をしてきたんだろうな』っていうのが出ていますよね」
── 吉田選手は「安定して高いパフォオーマンスを出せれば、山根選手はもっと上を目指せる」と話していました。
「シーズンは長いのでいい時も悪い時もあるけど、悪い時に何ができるかが大事という話は一度、麻也君から言われたことがあります。彼はずっと第一線でやってきた選手ですから、ツボを抑えるのがうまいというか、そのあたりは僕に足りない部分かなと。
僕は調子が悪い時こそ、いいことをしたいって思っちゃうんですけど、そうじゃないんですよね。もっとシンプルに、今日は割りきってプレーするとか、そこの判断ですね」
── 吉田選手から見習う点は多そうですね。
「かなり頼りにはしています。ミーティングでも理解できない点や細かいニュアンスのところを助けてもらったりします。だけど、あんまり頼らないようにしたいとも思っているんです。ただ、あの人より頼りになる日本人選手は見当たらないですよ。英語もネイティブがびっくりするくらいのレベルですしね」
【profile】
山根視来(やまね・みき)
1993年12月22日生まれ、神奈川県横浜市出身。東京ヴェルディの下部組織からウィザス高→桐蔭横浜大を経て2016年に湘南ベルマーレに加入。2020年から川崎フロンターレで4年間プレーしたのちに2024年にロサンゼルス・ギャラクシーに移籍。日本代表デビューは2021年3月の韓国戦。2022年カタールワールドカップのメンバーにも選出され、グループステージ第2戦コスタリカ戦で出場を果たした。ポジション=DF。身長178cm、体重72kg。
著者プロフィール
了戒美子 (りょうかい・よしこ)
1975年生まれ、埼玉県出身。2001年サッカー取材を開始し、サッカーW杯は南アフリカ大会から、夏季五輪は北京大会から現地取材。現在はドイツを拠点に、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材中。著書『内田篤人 悲痛と希望の3144日』(講談社)。
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