山根視来がアメリカに行って感じたこと 「あらためて川崎フロンターレのサポーターはすごかった」 (2ページ目)
【思い出される柏レイソルとの天皇杯決勝】
── MLSのサッカーは実際にプレーしてみてどうですか?
「ここからステップアップしてヨーロッパにいかなきゃいけないと思っている選手たちが集まるリーグなので、自分で行って、相手をはがして、自ら点を取る意識を持っている選手がすごく多い。日本はチームでの協調性が重視されるので、自分の能力がさらされて面白いかなと」
── さらされる、という感覚なんですね。
「ええ、それが面白いっていうか、求めてきたというか。僕より身体がデカいのに、足が速い選手ばっかりなんです。日本だと小さい選手とマッチアップすることが多かったですけど、今は止め方ひとつ取っても工夫しなきゃいけないです。自分のウィークポイントだったものが磨かれていっている......っていう気はしています」
── アメリカに来て、あらためて感じたことはありますか?
「日本人同士だと言葉が通じるので細かいニュアンスで話すことができるし、人種的な傾向なのか気の効く選手もすごく多かったなと感じました。日本とアメリカでは、その差はやっぱりあります。日本は困った時に助けてくれる選手がすごく多かったなと、あらためて思いますね」
── スタジアムの雰囲気も日本と違いますか?
「一瞬の盛り上がり方は、時にJリーグよりワーッとなることがあります。本当に試合を楽しんで見てくれているんだなと。サッカーがエンタメのひとつのジャンルとして確立している感じなので、それは日本だとなかなか得られない感覚なんです。
でも、あらためて日本のサポーターはすごかったなと思うこともあります。どうやったら自分たちがチームを勝たせるかを考えて応援してくれている。最後の天皇杯(2023年12月9日/PK戦の末に柏レイソルを下して川崎フロンターレが優勝)は彼らサポーターのために勝とうと思えた、それくらいの存在です。もちろん日本とアメリカ、どっちが上とか下じゃなくて、ひとつの違いとして」
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