旗手怜央×林陵平対談「ひとりで何かができる選手になりたい」林陵平がオススメするお手本の選手とは (2ページ目)

  • text by Harada Daisuke

【監督が代わり、新たな発見があった】

 ここからはサッカーの話について聞かせてください。セルティックはリーグ3連覇を達成しましたが、ポステコグルー監督からブレンダン・ロジャーズ監督に代わったシーズンでした。戦術としては何が一番変わりましたか?

旗手 一番大きいところとしては、アンジェさんの時は、まずゴールを目指すサッカーでした。できる限り縦、縦と、縦を狙うことを言われていましたが、一方でロジャーズ監督は、ボールを大事にしています。早く攻められる状況でも、まずはボールをキープすることを第一にしている。そこが大きく変わった点だと思います。

 ほかにも、2022-23シーズンと比較すると、クロスからのゴールも減っているように、明らかに違うところもあります。ロジャーズ監督になって1年目ということもあり、難しいシーズンだったなと思います。

 僕もチャンピオンズリーグでセルティックの試合を解説したのですが、監督が代わった当初は、少しチームとしての迷いも感じました。(チームづくりにおいては)ロジャーズ監督のほうが選手の特徴に歩み寄っていったのか。それとも、彼自身のゲームモデルを貫き通そうとしたのか。どちらでしたか?

旗手 どちらかというと、以前のよかった部分を残しつつ、ロジャーズ監督がやりたいことに寄せていった感覚が強いかもしれないですね。だから、当初は苦しみましたけど、やっていくうちに監督も僕らも、お互いにやりたいことがわかってきたように思います。

 チームとしては、シーズンを過ごすにつれて手応えをつかんだシーズンだったのでしょうか?

旗手 チームとしては(手応えを)つかんでいるところもありますし、一方でもっとこうしたいという思いもありました。個人的には、より攻撃的で、より速くゴールを目指す(2022-23シーズンの)サッカーのほうが面白かったですけど、ボールを大事にするプレーも含め、新たな発見があったので経験になりました。

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