リバプールで奮闘した遠藤航を風間八宏が高評価「考えることによって進化できているのがすごい」 (4ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi

【探求心を持ち続けることがいかに大切か】

 リバプール移籍によって、よりハイレベルな選手へと成長を遂げた日本代表キャプテンだが、さらにレベルアップするためには何が必要なのか。あえて風間氏に聞いてみた。

「それは、遠藤云々というよりも、チームがどんなサッカーをするかによって、進化の仕方も変わってくると思います。

 現在のチームでは、遠藤がやるべきプレーが明確になっていて、それに合わせることができるようになった。ただ、監督が変わる来シーズン、仮に遠藤が別の何かを求められるようになったら、また遠藤は考えてやるべきことにトライするはずです。今シーズンの遠藤を見れば、それができる選手だと証明されましたし、まだまだ変われる選手だと思います。

 強いて言うなら、ボールを運ぶ力がもっと上がってくると、また大きな成長を遂げられると思うので、そこはぜひトライしてほしいですね。

 でも、現時点でもビッグクラブのセンターでプレーしていること自体が、日本人としては画期的だと思います。遠藤がプレーしているポジションはチームのヘソ。サイドではなく、全体を動かすポジションですから、それだけでもとんでもないことです。

 もちろん、日本人全員がこうなれるわけではありませんが、探求心を持ち続けることが、いかに成長するために大切か。日本人にもその可能性が広がっていることを、遠藤が教えてくれたと思いますね」

プロフィール

  • 風間八宏

    風間八宏 (かざま・やひろ)

    1961年10月16日生まれ。静岡県出身。清水市立商業(当時)、筑波大学と進み、ドイツで5シーズンプレーしたのち、帰国後はマツダSC(サンフレッチェ広島の前身)に入り、Jリーグでは1994年サントリーシリーズの優勝に中心選手として貢献した。引退後は桐蔭横浜大学、筑波大学、川崎フロンターレ、名古屋グランパスの監督を歴任。各チームで技術力にあふれたサッカーを展開する。現在はセレッソ大阪アカデミーの技術委員長を務めつつ、全国でサッカー選手、サッカーコーチを指導。今季は関東1部の南葛SCの監督兼テクニカルディレクターも務める。

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