リバプールで奮闘した遠藤航を風間八宏が高評価「考えることによって進化できているのがすごい」 (3ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi

【視野の確保がさらに進化した】

 遠藤がリバプールの主軸へとステップアップした背景には、そういったプレーのディテールの変化があるという。そしてもうひとつ、風間氏が指摘するのが、前回も遠藤の特徴として挙げていた"視野の確保"についてだった。

「視野の確保は遠藤の特徴のひとつですが、その部分においても、さらに進化した印象を受けます。よくボールを奪う守備について話す時、体の使い方を見ることが多いと思います。でも相手と味方が見えていないと、体の使い方だけではボールを奪いきれません。

 たとえば、味方がボールを奪いにいこうとしている時、自分が行くべきか行かないべきか、あるいは相手がその状況でどのような体勢なのかなど、いろいろな情報を瞬時に把握できていないと、相手を追い詰めることはできません。その時に大事になるのが、視野の確保になります。

 視野を確保するには首を振りますが、しかし360度を見渡しているようだと判断の速さも低下してしまうので、必要のない視野を捨てて、いかに首を振らなくてもいい体の角度やポジションを取り続けられるかがポイントになります。それによって、素早くボールを奪い、素早く次のプレーに移ることができる。現在の遠藤にその連続性が生まれているのは、そのための視野の確保が、以前よりも速く正確になったからだと思います」

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