福田師王の目標はレヴァンドフスキ ボルシアMGで「クラブのDNAを体現する存在」になる (2ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko

【シオウはクラブのDNAを体現する存在】

 福田は時折「チームとして戦うこと」「勝利することが大事。僕は勝ちたい」などと口にする。また、そういうことは「高校サッカーが教えてくれた」とも。「高卒即海外」というと、効率重視の現実主義な印象も受けるが、福田はそんなこともなく、チームスポーツを戦う熱さを内に秘めている。

 こうしてU-19、ツヴァイテと、ボルシアMGの下部組織を一歩ずつ着実に経てきた福田。そして加入1年でトップチームに昇格した彼の歩みを、ニルス・シュマトケGM(ゼネラルマネジャー)はこう表現する。

「シオウはこれまで、いつでも何度でも、プロの練習でもU-23(ツヴァイテ)でもU-19でも、若手だけのトレーニングにおいても自分らしさを見せてきました。

 彼は国際的にトップクラスの才能があり、クラブのDNAの柱を示しています。私たちとともにある彼の道は『ボルシアの象徴』なのです」

「クラブのDNAを体現する存在」とまで言いきるのは、これまでのプロセスに対する自負そのものであると同時に、今後への期待を抱かせる。

 今後、Jリーグを経由せずに欧州のクラブに移籍するケースが増えていきそうななか、クラブを選択する段階からより慎重になっていく必要はあるだろう。だが、福田とボルシアMGのような関係性は、ひとつの望ましい形となりそうだ。

 福田自身も移籍を決断する前、日本や欧州の複数のクラブで練習に参加したが、「このクラブが一番よかったです。何より『人』がよかった」と話している。

 これからトップチームで勝負していく福田の持ち味は、何と言っても動き出しだ。ツヴァイテでは個人をアピールする選手が多く、中盤の選手も隙あらば自ら持ち込んでシュートを打ってしまう。前線の福田には、ほとんどボールは回って来ない。それでも少ない機会をとらえて、得点を匂わせる動きは際立っていた。

「自分の特徴は動き出し。フィジカルとかよく言われるんですけど、自分で言ったことはないんですよ。動き出し、それひと筋でやっています」

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