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久保建英、過密日程の影響は明らか 勝利に貢献も日本代表招集に不安はないのか (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyukikarhi

【ペドリ以上の負荷がかかっている】

 開幕直前に"師匠"とも言える天才ダビド・シルバが大ケガで現役を引退し、ポイントゲッターで凹凸コンビを組んでいたアレクサンダー・セルロートが移籍。久保はいきなり苦境に陥ったが、アクセルを踏み孤軍奮闘で跳ね返した。力強くチームを引っ張り、9月は月間MVPを受賞。その勢いを駆って、チャンピオンズリーグ(CL)でもグループリーグを勝ち抜いた。

 しかし今年1月に入って、カタールでのアジアカップの代表招集を受けると、雲行きは怪しくなる。不在の間、チームは下降線を辿っていった。久保自身も長旅と転戦でギリギリの状態ながら、クラブへ合流後は奮戦してきたが、スペイン国王杯、CLと敗退(カディス戦の勝利は、なんとホームで約4カ月ぶりの勝利だった!)。過密日程のツケは明らかで、前節はベンチのまま過ごしたように、故障者リストに名前が載っていないのが不思議なほどだ。

 そして3月のW杯2次予選、北朝鮮戦でも代表メンバーに入ることになった。

「三笘薫、伊東純也がいないなか、久保の双肩にかかっている。絶対に負けられない戦い」

 そんな煽り文句が出るのかもしれない。しかし、肉体という限りある資源を使って「深刻なケガにつながらないか」という不安は残る。

 久保と同年代のスペイン代表ペドリは、東京五輪のシーズンにバルセロナで主力となり、EURO2020、東京五輪を戦った後、肉体的な燃え尽き症候群に陥った。今やほとんど定期的にケガをするような状態になってしまった。現在の久保には当時のペドリ以上の負荷がかかっており、ラ・レアルの関係者にとっては、パリ五輪出場など言語道断と言えるだろう。

「久保だけでなく、南米の選手も同じように長旅をして代表のために戦っている」

 そんな意見もあるが、南米の代表は欧州に招待されての親善試合もしばしばで、3月もブラジル、コロンビアはスペイン代表、ウルグアイはバスク代表(FIFA未公認)、チリはアルバニア代表と対戦するなど、いずれもヨーロッパで試合が組まれており、負担は少ない。何より、南米選手権(コパ・アメリカ)が欧州のシーズン中に開催されることはない。さらに言えば、南米同士の試合はレベルも高く、競争力を上げるのにひと役買うが、アジア2次予選でそのメリットは生じない。

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