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久保建英が古巣相手に見せたエースの本性とファンへの敬意 現地紙は「日本人の偉大なゲーム」と絶賛 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 スペイン大手スポーツ紙『エル・ムンド・デポルティーボ』は久保を端的にそう表現している。

「日本人選手の偉大なゲーム。511分も続いていた無得点の"不名誉な"記録を打ち破った。ラ・レアルのなかで最もアクティブな選手で、逆転するまで相手を叩き続けた。攻撃をけん引し、プレーにパウサ(停止という意味だが、緩急のこと)を与えた。1-2の逆転に持ち込んだが、直前の直接FKではバーをかすめるミサイルシュートを打っていた。ちなみに同点ゴール後は謝罪、かつてのファンに敬意を示した」

 ゴールを喜ばなかったのは、通常の儀礼である。スペインでは、かつて所属したチームの本拠地でゴールを祝うのは非礼、侮辱に当たり、ご法度。暗黙のルールを守ったわけだ。

 2月23日、今度は本拠地レアレ・アレーナで、久保は、もうひとつの古巣であるビジャレアルと対決する。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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