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お金がなくても大丈夫!? 首位ジローナの予算はバルサの20分の1 岡崎慎司も指導した監督の手腕が光る (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

「バルサのやりたいサッカーでバルサを撃破!」

 昨年12月、ジローナがアウェーでバルサを2-4と下した試合後、スポーツ紙は殊勲を称賛したが、それはジローナというクラブにとって、ひとつの結実だったかもしれない。

「バルサ関係者がミチェル監督に接触」

 そんな報道も出たが、あり得ない話ではないだろう。

 ミチェルはラージョ・バジェカーノ、ウエスカを2部で優勝させ、1部昇格に導きながら、すぐクビを切られた経験があり、指揮官として厚みを増した。柔軟な指揮官で、選手のよさを引き出すためにはフォーメーションにこだわらない。4-3-3はベーシックだが、3-4-2-1、4-2-3-1も駆使。選手の組み合わせや対戦相手との噛み合わせなど、いくつもの選択肢のなかから最善を見出すことができる。

 一昨シーズン、ミチェルはジローナを率いて1部に昇格させた後、昨シーズンは10位と土台を築いて、今シーズンは一気に力を解き放った。

「ミラクル・レスターの再現か?」

 2015-16シーズン、岡崎慎司などを擁してプレミアリーグを制したレスター・シティの躍進になぞらえる声もある。率直に言って、ジローナがこのサッカーでラ・リーガ王者になったら、それ以上の衝撃だろう。余談だが、ミチェルはウエスカ時代に岡崎の力を最大限に引き出し、ともに1部に上がっている。

 モンティリビでは今、夢が見られる。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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